「死にたくても身体が動かない」と悩んだ10代
一人暮らしの準備と並行して研修講師や講演活動を始めた青木さん。「たかや」の活動名で発信するSNSには前向きな感謝の言葉が並ぶ。しかし最初からそうだったわけではない。1歳半で病気が判明し、一時期はつかまり立ちができたものの、すぐに車椅子生活となった。
「小さい頃は外に出るたび、ジロジロ見られるのを感じていました。学校に行っても元気に動ける友達がうらやましかった。こういう障がいで、こういう見た目だから、人は自分を人間として見てもらえないだろうという思いがありました」
成長とともに病気が進行し、登校できなくなったり側弯(背骨の湾曲)で見た目が変わったりした。死を考えたことがあるか問うと、青木さんは「毎日思ってました」と即答する。
「思春期の頃までは、どうやっても人生がいい方向に行かなかったので。でも、死のうにも身体が動かないから自分では死ねない。外にも出たくなかったし、ずっと落ち込んで、よく一人で泣いていました。そうやって十年も二十年も悩んでいたら、人間、耐性がつくのかわからないですけど、悩んでいる時間がもったいなくなったんですよ」
高校時代にありのままの自分を肯定してくれる女性と出会ったことも転機となった。もっと理解者に出会いたいと積極的に外に出るようになり、ITパスポートなどの資格も取得した。とはいえ進行性の病気だ。過去には医師から「中学生まで生きられるかわからない」と言われた。
「たぶん考え出したらきりがないくらい恐怖はあると思います。でも、今できるのは進行を遅らせることだけ。しっかり食べて休んで、なるべく悩まずに、どんな楽しいことができるかなって考えるようにしています。
人って元気な時間が続くと、永遠に生きていられるような気になるんですよね。でも事故に遭ったり体調を崩したりしたら、絶対に過去の自分をうらやましく感じるはず。今という時間は“今”しかないから、その瞬間を大事にしたいなとはいつも思います」