芸能界を引退しても「心が休まる瞬間はなかった」
――芸能界復帰を考えるようになったきっかけを教えてください。
今泉佑唯(以下、同) そもそも私は、記者さんに張り込まれたり、子どもを撮られたりしたことが理由で芸能界を辞めたんです。でも先ほどもお話ししたように、辞めたあとも解放感はまったくなくて、逆にすごく生きづらさを感じるようになってしまいました。
自宅の周辺に車が停まっていると気になってしまったり、カメラを構えている人を見るとビクッとしたり……。精神的なストレスがどんどん溜まり、何をしても休まらない時期がありました。
ただ同時に、一度表舞台に立ってしまった以上、記事や配信のネタにされない、自宅を特定されないというのは不可能だと気づいて。芸能界を辞めてもこんなに辛いのであれば、自分の人生を楽しく生きるほうが、自分にとっても子どもにとってもいいのではないかと思うようになりました。そこから、復帰を考えるようになったんです。
――復帰に際して、具体的にどんな仕事に挑戦したいですか?
私の立場から「これをやりたい!」と自分で言うのは、ちょっとおこがましいかなという気持ちもあるんですが……。でも、やっぱり舞台が大好きなので、芝居に関連するお仕事に携われたら嬉しいなとは思っています。
芸能界を引退してからも、昔お世話になっていた演出家の方に舞台鑑賞に誘われることが何度かあって。観客としていろんな舞台を観るうちに、「自分もあのステージに立っていたんだよな」「またやりたいな」と思う気持ちが、少しずつ強くなっていきました。