日産再建の可能性
13日の会見では、人員削減についても言及された。今後、工場閉鎖の可能性はあるのだろうか?
「会見では、東南アジア(タイが候補)での工場閉鎖の可能性を示唆する一方で、日産自動車九州では生産規模の拡大も検討されています。組織のコンパクト化に伴い、生産拠点の『選択と集中』が進められるのでしょう」
結局、ホンダとの経営統合が破談となった日産に、今後、再建の道はあるのか。桃田氏は次のように予想する。
「会見で内田社長が述べたように、日産単独での再編は難しい状況です。日本国内のみならず、海外の自動車メーカー各社との資本提携を含めた関係構築に動く可能性は高い。
その場合、リーマンショック時のクライスラー(現:ステランティス)のように、投資ファンドが関与することも考えられます。
いずれにせよ、日産が掲げる直近の事業再生計画『ターンアラウンド』の実効性が問われる2026年度までに、同社は組織としての方向性を明確化する必要があります。そうでなければ、企業としての地盤沈下は避けられないでしょう」
世界中が日産の行く末を見守っている。
取材・文/千駄木雄大