Gが出るボロアパート暮らしを強いられる子も…
一方、島の住民側はどう見ているのだろうか。現在も宮古島のバーで勤務する男性(28)は、リゾートバイトの実態について次のように話した。
「宮古島は毎年7月から9月の繁忙期に大勢の観光客が来ます。その時期になるとリゾートバイトや夏だけの観光ビジネスをしに来る人たちが急激に増え、どの飲食店もすごい人で溢れかえります。
夏はホテルや観光施設、居酒屋などでリゾートバイトをする人も多いけど、冬はキャバクラ以外でバイトをできる場所はほとんどないです。
だから、リゾートバイトで来てる子だけじゃなく、移住者も夜職をやってる人が多い。宮古島はただでさえ働き口が少ないし、年々物価が上昇していて、夜職しないと生活が厳しい人がたくさんいます。
リゾートバイトの寮は店によってかなり当たり外れがあるみたいで、中にはゴキブリが出るボロアパート暮らしを強いられる子もいるみたいですね」
この男性はさらに、移住者の実情についても話してくれた。
「地元の人は就職や進学を機に(沖縄)本島や内地に引っ越す人が多いんですよ。だから、移住者やリゾートバイトで来た子同士で付き合うパターンがほとんどです。
島内のコミュニティーは狭いから、誰と誰が付き合ってるとか、そういう噂はすぐに広まります。常に監視下にいるような状態なので、あんまり悪さはできないですよ(笑)。
移住者は内地で借金して逃げてきた人とか訳アリの人もいます。だからか、夜の店の従業員が店のお金を盗むトラブルはよくあるんですけど、それもすぐに誰がやったかバレるパターンがほとんどです」
最後に今回の事件について聞くと、次のように警鐘を鳴らした。
「“島”と聞くと、平和でのどかなイメージかもしれませんが、こっちで観光ビジネスや夜の店をしている人は内地から来た人がかなり多いんですよ。
だから、危険度で言ったら東京の歓楽街と変わらないです。リゾートバイトに限らず、夜の業界はこういったトラブルが多いと思うので、自分も気を付けなければならないなと思いました」
離島の若年人口の減少による過疎化、人手不足といった問題も潜んでいる「リゾートバイト」だが、滞在先で楽しみながら働けるという大きな魅力があるのも事実だ。
このような大きな事件やトラブルが今後、起こらないことを願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班