マンションに不法侵入する若い男女のあとをつけてみたら…
「家族ができたということもあり昨春、都内23区に築40年くらいの中古マンションを買いました。値段の割に広々としていて、近隣環境もよく、子育てにはうってつけ。購入して大正解だったとすぐに確信しました。
それからしばらくした、6月の平日の夕方頃、見覚えのない高校生か大学生くらいの若い男女が私のマンションのふだんは住人があまり入って行かない駐輪場奥の非常階段に入っていくのが見えました。私は不審に思い、後を少しつけてみることにしました」(安藤さん)
というのも、安藤さんのマンションは、住人同士が挨拶をしっかりするタイプで、世帯数もそれほど多くない。そのため、すぐにその男女がマンションの住人や関係者ではないと感づいたのだ。
「せっかく購入した自宅の敷地内が、薬物とか犯罪をする場所に使われていたらたまったものじゃない」と思い、男女を追跡したところ、なんとその男女は人がほとんど通らない非常階段の裏のスペースで、行為を始めたのだ。
「行為中に注意をするのはさすがに嫌だったので、彼らの行為が終わったタイミングを見計らって、『君たちはなにをしに来たんだ?』と声をかけました。『友だちに会いに来た』と言ってきたので、部屋番号を聞いたのですが『言えません』の一点張り。
そこで、『警察を呼ぶか、もう二度とこの敷地内に入ってこないか、どっちか選んで』と切り出すと、『もう二度と来ません』と約束をしてくれました。
男女は本当にそこらへんにいる感じの普通の子で、女性のほうは申し訳なさそうな顔をしていたのですが、男性のほうはスッキリしたあとなのか、心ここにあらずのように、終始、きょとんとした悟り顔だったのが印象的でした」(安藤さん)
35年ローンでせっかく購入したマンションを汚されたという怒りと、もし自分の子どもがそんなところを目撃してしまったら……という怖さなどから、安藤さんは思い切って注意をしたという。
ただ、もし仮に警察を呼んだとして、この男女をどのような罪に問えるのだろうか。ゆら総合法律事務所の阿部由羅弁護士に詳しい解説を聞いた。