「水の都・TOKYO(トウキョウ)!!の巻」(ジャンプ・コミックス118巻収録)

今回は、両さんが通勤に水路を使いはじめたことから、水の都としての東京を復活させようとするお話をお届けする。

東京は、江戸幕府開府以来、長らく水の都として栄えてきた歴史を持つ。

陸上における人の移動はほとんど徒歩のみ、物資を運ぶ最大の手段は馬や牛に荷車を牽かせて……といった具合で、爆発的な人口増加によって必要とされる大量の物資の輸送にはとても対応できるものではなかった。そのため、おのずと河川や海を渡る大小さまざまな船によって行われるようになっていた。

水路による物資の輸送は、鉄道や自動車道が充分に発展した昭和中期まで続いていて、橋が両岸に跳ね上がって大型の船を通行させる跳開橋が開発された。

隅田川に架かった「勝鬨橋(かちどきばし)」も、1967年までは跳開が行われていた。『こち亀』指折りの傑作と評価の高い「勝鬨橋ひらけ!の巻」(ジャンプ・コミックス71巻収録)では、この橋の跳開が終了した時代が描かれている。

戦後の経済高度成長とモーターリゼーションによって自動車による運搬が発展すると、次第に水路は過去のものになっていった。そのためかつての水路の多くは、第二次世界大戦後の復興期から高度成長期にかけて埋め立てられてしまっている。そこで両さんが考えたのは……。それは本作を読んでのお楽しみとしたい。

それでは次のページから、両さんによる水都・東京の復活計画をお楽しみください!!