「ドローンバトルの巻」(ジャンプ・コミックス200巻収録)
今回は、現実の半歩先を行くドローンによる競技を描いたお話をお届けする。
本作が描かれたのは、「週刊少年ジャンプ」での『こち亀』連載が終了した平成28年(2016年)。
1990年代なかばから『こち亀』では、パソコン、携帯電話、ネット……といった、時代を象徴するガジェットや技術を盛んに取り上げていたが、2010年代になってもっともよく登場したのがドローンだ。当初は目新しいホビーとして描かれていたが、次第にドローンの社会的役割を一足早く予想したかのような描写が増えていった。
本作と同じく2016年に描かれた「ドローンの時代の巻」(ジャンプ・コミックス200巻収録)では、近い未来における社会インフラにおけるドローンの活用法、そしてその前に立ち塞がるであろう日本の法整備の遅れへの対処法などが活写されている。
そして、本作で描かれているドローンレースだが……。
2010年代以降の飛行性能や操縦系の進化、バッテリーの性能アップなどによりドローンの普及が加速。操縦技術さえあれば、年齢や性別を問わずに楽しめる競技としてのドローンレースは、今後ますます発展していくだろう。
ちなみに、本作に登場する半ズボンを履いたキャラ「ラジコン刑事(デカ)」は、「出撃ラジコン刑事の巻」(ジャンプ・コミックス130巻収録)で初登場した警視庁特殊刑事課の一員だ。一人称が「ぼく」で半ズボンを履いたその出で立ちは、現代の「こどおじ」のようだが、これでも妻子持ちなのだ……。
それでは次のページから、競技のレギュレーションが定まっていないのをいいことに、ギリギリな手を使って賞金を狙う、両さんの戦いぶりをお楽しみください!!