取材はスタジアムに隣接する「里山サロン」にて。サッカーを語るとき、岡田の言葉にはやはり熱を帯びる。(写真/近藤 篤)
取材はスタジアムに隣接する「里山サロン」にて。サッカーを語るとき、岡田の言葉にはやはり熱を帯びる。(写真/近藤 篤)

1年目からJ1昇格を目指していく姿勢が大切

今季を戦い終えたばかりだが、岡田の目は早くもJ2での戦いを見据えている。チームが意識しなければならないことは明確だ。

「とにかくJ1を目指さなきゃいけない。何年かけて目指すとか、3年計画とかにすると絶対にうまくいかないって俺は思ってる。じゃあ1年目は目指さなくていいんだって緩むだけだから。

特にウチなんて2、3年目に急にバジェットが増えるってこともない。1年目からJ1昇格を目指していく姿勢が大切になる。少なくともJ3に逆戻りっていうのは俺のなかで絶対にあり得ない。

俺が北海道コンサドーレ札幌をJ2からJ1に上げたとき、正直言うとそこまで難しいとは感じなかっただけに、J3からJ2に上げるのにこんなに苦労するとは思わなかった。だからJ1に上げるのも、J2にいるチーム次第だけど、かなり厳しい道のりになるはず。

ある意味、資金力とチームの成績という部分は正比例していくものだから、資金力のあるクラブと戦っていくにはそれを乗り越えていくために勝負に出なきゃいけないところもある」

このインタビュー後、J2昇格に尽力した服部監督の退任が決まり、今季J2で3位となったV・ファーレン長崎でヘッドコーチを務めた倉石圭二を新監督に招聘した。

1年目からJ1昇格に向けた勝負を――。

厳しい戦いは覚悟のうえ、壁が高ければ高いほどやる気に溢れる。それが岡田武史という人でもある。

(次回、第3回に続く)

監督就任初年度にJ2昇格を達成した服部監督の退任には驚きの声も。倉石圭二新監督の元、新たな挑戦が始まる。 (写真提供/FC今治)
監督就任初年度にJ2昇格を達成した服部監督の退任には驚きの声も。倉石圭二新監督の元、新たな挑戦が始まる。 (写真提供/FC今治)
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取材・文/二宮寿朗 撮影/近藤 篤
※「よみタイ」2024年12月29日配信記事