「皆さんの税金で生かされていた…」
不登校だった中学時代から打って変わって充実した高校時代を過ごし、大学進学を希望した男だったが…。
「勉強、できるんです。できるから今度は『大学行きたい』って言い出したんだけど、こっちが『ええ?冗談じゃないわ。高校だけでもお前、(カネで)大変な目に遭ったのに』って。まあ仕方ないです。母親のアレ(治療費)もあるし。
で、息子は東京に出た。仕事が見つからないというより、ちっちゃいころからいろいろあったし、向こうは寒いしね」
しかし、#1でも報じたように、体調不良から定職に就くことは難しかったようだ。
「そうですね。体調悪いもんで。(1日に)1、2時間ならいいかもしれんけど。だから、仕事の紹介状を書いてもらうにしても、1、2時間でまず慣らして、次に3時間,4時間と延ばすという段取りにせないかんね、という話まできていたんです。ようやく。
それまではもう、きょう調子いいかと思うと次の日にはがくんときたり。波がきつくて。ようやく最近波が少なくなってきたら…そういう(物を盗むような)子でなかったんだけれど、どうしたのかな…魔が差したのかな、何だろな…。その矢先なんですよね」
父親は4年前に上京して息子と2人暮らしを始めた。父の年金と、息子の生活保護だけで贖う最底辺の生活だ。
「今の住まいの間取りは2LDKで家賃は6万8千円。行政から出る住宅手当は6万ちょっとだから。食事も外食なんてもってのほかで、一日2食のことが多い。朝、みそ汁つくって、ご飯にふりかけして食べて。みなさんの税金で生かされてるんだから、それで十分。息子は友達もいなし、彼女もいない。顔は悪くないと思いますけど結婚には金がかかるしね、まずは仕事しないと…」