「大人のすることじゃない」と叱られるも…
そんな彼の転機となったのが、お笑いコンビ「さらば青春の光」との出会いだった。
「テレビをザッピングしていて、出ていたらつい見ちゃうのが、さらばのお二人でした。実は以前も一度、コンビのネタを見てもらおうと、森東(さらば青春の光が所属する芸能事務所)にアポを取らず行ったことがあるのですが、スタッフさんに『大人のすることじゃない』と帰されてしまい……」
しかし、ひょうろくは意外と打たれ強い。
門前払いをされてから数か月後、さらば青春の光が「30分以内に事務所に来た芸人にギャラ1万円をプレゼントする」というYouTube企画を実施。
これを目にした彼は、終了時間から20分もオーバーしていたにも関わらず、堂々と事務所のインターホンを鳴らしたのだ。
「あのときは、とにかく、さらばのお二人に会えると思って……で、あわよくばお金ももらえると……。指定された時間にはもう間に合わないだろうなと思ってはいたのですが、最悪(さらば青春の光に)会えればいっかなぁって……」
ナゾの度胸を携えた突撃動画はジワジワと再生数を伸ばし、2024年10月時点で125万回再生を突破。これをきっかけに、それまでほぼ無名だったひょうろくが、さらば青春の光のYouTubeチャンネルではお馴染みになった。
「いまの活動は、ほとんど森東のまわりのいろんな方々に作ってもらったようなものなので……。森東は、本当にエネルギッシュでポジティブな方たちばかりで、そこに巻き込んでいただいたおかげで、僕もプラスの力をいただいているというか。
僕を呼んでも、なにかメリットがあるわけでもないのに、僕があまりにも悲惨すぎたので、皆さんが助けてくれたんだと思います」
YouTubeで強烈な爪痕を残したのち、人気バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』にも出演。
特に話題を呼んだのが、ひょうろくの3週連続ドッキリ企画だ。あれだけドッキリを仕掛けられたら、さすがに疑り深くなってしまいそうなものだが。
「いやぁ……終わったあとは、もう騙されないぞと思うのですが、すぐに忘れてしまって、それで毎回『またか……』と。特に『水曜日のダウンタウン』はものすごく凝られていて、皆さんプロフェッショナルなので……。
内臓を運ぶドッキリがあったんですけど、あの、内臓(本当は焼肉用の豚ハツ)を運ぶとき、クーラーボックスに氷が満タンに入ってて、めちゃくちゃ重たくて。ドッキリなんだったらもっと氷少なくていいんじゃないかなって、あとから思ったんですけど……。それだけ手が込んでるというか、すごいなぁと思います」