耳の穴の中まで入れた刺青、痛みはイメトレで克服
──熱海さんの刺青の量が、日本一ではないかとうかがいました。
熱海龍さん(以下同) 細かく確認したわけじゃないけど、俺以上って聞いたことがないかな。俺は男の大事なところをはじめ、肛門の周辺のシワも伸ばして入れているし、耳の穴の中にも入れています。先生(彫師)も見たことがないとおっしゃっていますね。だからここまでしているのは国内では俺くらいではないかと。
そういえば、この前、イベントで同じくらい入れている名古屋の方にお会いしましたが、少なくともこのふたりがツートップでは。
──耳の穴の中まで!?
肌色が残るのが納得いかないんですよ。まだ肌色がある……って探してたどり着いたのが、耳の穴の中だね。先生には本当に苦心して入れていただきました。それと珍しいところでは口唇の裏も入っているよ。
──逆に、今入れていないところはありますか?
手の平と足の裏は顔料が抜けてしまうから入れられない。以前、足の裏は入れたけど抜けてきちゃったね。それと刺青って皮膚をピンと張らないと彫れないからサオ、タマも入れられません。ゴムで縛って先端には入れたけど。あと目のキワのような、眼球に近いところは難しくて限界まで攻めてもらって。
──痛かったところは?
どこも痛いよ〜! 特に痛いのは急所と脇の下。唇や息子の先端は出血が多いから先生が大変だね。痛みは、切れないカミソリでぐりぐり切られているようなイメージで、後からもジンジン、ヒリヒリしてくる。
10時間連続で彫っていたこともあります。先生がマシンを洗い始めて、終わったって安心していたら、彫ったところを見直して「もう少し直していいですか?」なんて言われた日にはね……「勘弁してくれ!!」って。
──痛みは平気なんですか?
平気じゃないよ(笑)。なんといっても、イメトレが大事ですね。今日はマッサージを受ける
ぞ!って思い込むんです。今日は原宿(スタジオ所在地)で気持ちいいマッサージの日だ、やった
ー! って。長く思い込んでいれば気持ちよくなってきます。でも先生に何度も痛いところを彫られ
ると「今日はなにか気に食わないことがあるのかな……」ってつい不安になったりね。
それと、先生がいつも聞いてくれるのは「ちゃんとご飯を食べてきましたか?」ってこと。空腹だと血流が激しくなっていて、血も出やすいし痛みも感じやすいんだって。