日本の食文化のポテンシャル

そんな日本と対照的なのが、同じく美食の国であるイタリアだ。彼らは自国の食文化を大切に守り抜いている。

たとえば在日イタリア商工会議所は「イタリアンレストラン品質認証マーク(AQI)」という制度を導入している。これは伝統的なイタリア料理を再現するレストランにお墨付きを与えるものだ。本場の味を求める客にとってはまたとない指標である。そして同時にイタリア料理のブランドを守る制度にもなっているわけだ。

フランスもそうだ。自国の食文化に誇りを持っている。なかでもシャンパン(シャンパーニュ)はその象徴だろう。シャンパンの名称を名乗るのが許されるのは、厳しい基準をクリアしたスパークリングワインだけだ。

使用するブドウはシャンパーニュ地方で収穫された特定品種に限定され、製法も伝統的な瓶内二次発酵のみ。そうした厳格な規定が法律(原産地呼称統制法)でしっかり定められているのである。かくしてシャンパンは世界最高のスパークリングワインとして君臨し続けている。

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日本も見習うべきだろう。手をこまねいていてはダメだ。これから日本経済は人口減と少子高齢化の荒波にさらされていく。そして昔のように日本の家電が海外で飛ぶように売れることもない。

でも食ならいくらでも世界に打って出られる。日本の食文化にはそれだけのポテンシャルがある。すなわち外貨獲得のための大きな武器になりうるのだ。

和食にしろ和牛にしろ、そのブランド価値を高め、守り続けることこそが、日本の未来を輝かせるのである。

※1 マピオンニュース「世界一のステーキを決める大会で『和牛』が3 冠達成、ネット『日本のステーキはガチ』」(2022年10月4日)
※2 農林水産省「特集1  和牛(1)」

ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来
堀江貴文
ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来
2024/9/27
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■「オルカン」「S&P500」は買うな
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■目次
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・「オルカン」「S&P500」は買うな
・いまこそ日本株を買え
・NISAの限界
・投資の3つの鉄則
・「死者のマインド」を持て
ほか

第2章 「お金」の真実
・ふるさと納税に隠された本当の狙い
・退職金=転職ペナルティ
・マイホームを買っていい人の条件
・住宅ローンという名の押し売り
・良い借金、悪い借金
ほか

第3章 「ビジネス」の勝算
・なぜ起業家は「上場」を目指すのか
・非上場を貫くスペースX
・楽天モバイルの功罪
・格安SIMを使え
ほか

第4章 「日本人の知性」の危機
・なぜ科学的根拠が通じないのか
・日本語を「理解」できない日本人
・長文にパニクる日本人
ほか

第5章 「権威」はヤバい
・悪名高き日本の「人質司法」
・「HERO」でも正義の味方でもない検察
・大学に行ってはいけない
ほか

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