「“大人”希望じゃないとちょっと…」

ところ変わって、こうしたグレーな業種の店舗がひしめく夜の街・新宿、歌舞伎町。こちらのグループ店も利用者は池袋と同じような男性ばかりで、入れ替わり立ち替わり客が押し寄せてくる。

女性の数・系統も先ほどとほぼ同じだったが、ここでは、やや事情の異なる様子もうかがえた。

新宿、歌舞伎町(写真はイメージ)
新宿、歌舞伎町(写真はイメージ)

まず10分のフリートークで話を聞いたのは、プロフィールに「21歳・学生」と記載されている女性。地下アイドルのようなロリ系黒髪の彼女だが、左腕には複数のリストカットの痕が目立つ。

なぜ出会い喫茶を利用しているのか話を聞くべく、「取材もかねて夕食にでも行きましょう」と伝えると、彼女は困惑を隠さなかった。

「え……ご飯だけ希望ですか……? 私はお金が欲しいから、“大人”希望じゃないとちょっと……」

続いて金髪ギャルの「23歳・フリーター」とトークをしたが、ここでも同じような回答があった。

「今から食事とかお茶って、ちょっとそれは……。食事だけのパパ活でも1時間とか拘束されるけど、それでもらえるのは数千円だからタイパが悪い。“大人”ならどんなに安くても1.5(万円)はするから、それで何人か回したほうが全然稼げる」

複数の女性と話したが、彼女たちは経済的な事情から出会い喫茶に登録するケースが多く、多少、要求のハードルが高くとも“稼げる”客が良客のようだ。

また、この金髪ギャル女性は、風俗店やすぐ近くの大久保公園で立ちんぼをせず、あえて出会い喫茶を選ぶ理由についてこう語った。

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 「立ちんぼはさらされたり知り合いに見つかったりする可能性もあるじゃん? 風俗は中抜きされるし、きしょい客が来ても断れない。

でも、出会い喫茶なら嫌な客は交渉不成立にできるし、お店にも抜かれないから。暇なときに来るだけでお金になるかもしれないのがちょうどいいの」

今回訪れたのは男性客が女性を選ぶシステムだったが、他社の系列では、マジックミラー内の男性客を女性側が選ぶ“逆ナン喫茶”という店舗も存在しているという。

食事やお茶はともかく、売春は当然犯罪である。このような違法行為を摘発すべく、警察が常に目を光らせていることを忘れてはならない。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班