「交剣知愛(こうけんちあい)…の巻」(ジャンプ・コミックス2巻収録)

今回は、警視庁の剣道大会で両さんたちが騒動を巻き起こすお話をお届けする。大原部長が娘の恋人をボコボコに! というムチャクチャな出来事にも注目だ。

剣道は、全日本剣道連盟が定義する日本の剣術を競技化した武道だ。江戸時代中期に、小手や面などの防具を着けて竹刀で打ち合う、現代の剣道のルーツとでも呼ぶべき形式が登場した。もっともこれは競技ではなく、あくまで真剣を使っての戦いの稽古としてはじまっている。

明治時代になって武士がいなくなり廃刀令が敷かれると、剣術は興行……見世物として命を長らえるが、日新戦争の勝利などを機に日本武術が奨励されるようになり、警察や学校に取り入れられていった。

警視庁をはじめとして多くの道府県の警察では、現代でも柔道または剣道の習得が求められる。これは、明治時代に警視庁が設立されて武術世話係が設けられて以来のことだが、警察官として必要な体力作りと、逮捕術への応用を期待してのことだ。

なお日本が第二次世界大戦で敗戦した翌年の1946年には、連合軍によって日本の武道全般が監視下に置かれて強い制限を受けた。警視庁における剣道の訓練は、1952年まで禁止されたという。

一方で柔道は、講道館の創設者で日本初代IOC委員となった「柔道の父」こと嘉納治五郎(かのう・じごろう)の国際的活躍もあり、制限を受けることはなかった。

それでは次のページから、バカバカしくも荒っぽい、カオスな剣道大会のひと幕をお楽しみください!!