お店のアピールのため写真集&映画を制作
その昔の銀座は、大企業の名刺を携えてやってくる客ひとりにホステスが3人もつけば簡単に商売ができたものだったという。だが、今はどの企業も接待費に厳しくなっているのが現状だ。だからこそ、これまでよりもホステス集めや店のイメージ戦略にも苦労しているという。
「銀座の街全体が“銀座株式会社”だとしたら、その中に“ル・ジャルダン支店”や“クラブ〇〇支店”といった支店があるイメージで、今も昔も変わらず支店同士で女の子を引き合っています。だからこそネットが発達した現代では、SNSにも力を入れていますよ。
あとは毎年、店の人気キャストと、恥ずかしながら私も加わって下着写真集『ル・ジャルダン写真集』を発売しています。来店されるお客様やそうでない方も、ホステスたちの写真というのは印象に残るのではないかと思いまして。
今回の写真集テーマは“だんだん脱いでいく”なのですが、写っているドレスや下着は、ホステスたちの私物です。これもお客様にル・ジャルダンというクラブの名前を覚えていただきたい一心です」
ホステス志願の女性たちの中には、自身のSNSで自ら水着やセクシーな姿を披露している女性も多い。写真集は2016年から毎年のように発売しているが、女性たちの脱ぎっぷりは年を追うごとに露出が激しくなっているという。
さらには写真集にとどまらず、今年10月公開予定の映画『ル・ジャルダンへようこそ』も制作したそうだ。
「私はもともと漫画家志望でネタを得るために銀座入りしたのに、その志は店を持つことにシフトチェンジしました。でも描きたい思いはずっとあり、15年前から銀座で起きた実話をもとにした小説を書き、それが3冊の本になりました。
今度は映像化したいと考えつくったのが今回の映画です。当店には舞台で活動する俳優志願者のホステスもおり、そんな子たちへのプレゼント的な意味もありました。映画には、お店のホステスたちはもちろん、川﨑麻世さんをはじめ、秋吉久美子さんや中山秀征さん、鈴木砂羽さんにも友情出演していただきました。
過去に映画をつくった銀座のクラブのママはいません。ホステスたちが『おもしろい試みをするママのもとで働きたい』と思ってくれることを期待してつくった、という側面もあります」
映画はル・ジャルダンで起きた実話を元につくられており、主人公・舞子は俳優で元グラビアアイドルの清瀬汐希が演じている。劇中では肌を限界まで曝け出しての体当たりの濡れ場も描かれているが、実際にホステスと客が一夜を共にすることはあるのか。
「何を隠そう私自身、20歳で銀座に来てから、お客様以外の男性とは肉体関係を持っていません(笑)。ホステスとしてお仕事していると、銀座でお酒を飲む大人の男性の格好よさの虜になったとも言えます。
今の若いホステスにも実際にそういったこともあるでしょう。ただお店のホステスたちには、それを勧めませんし、常日頃から『嫌なことはしなくていい』と口を酸っぱくして言っています。
新人のホステスさんの中には、肉体関係を持てばお店に引っ張れると勘違いしてしまう子もいたりしますけれど、決してそんなことはありません。銀座のお客様は、お金目当てのエッチがほしいわけではなく、銀座だけで見られる夢を欲してらっしゃるのだと思います」