「子どもに英語さえ習わせれば」と思ったあなたは危険!
日本の大学のレベルやそこでの研究レベルは、残念ながら、どんどん国際的地位を失っています。同様に、企業の競争力も落ちています。
加えて、日本は少子化が進み、マーケットが小さくなっていきます。そのため、なにかヒット商品を開発しても、国内で売れる絶対数が限られます。
こうした状況にあって、子どもたちの将来を「日本限定」で考えるのは、大きなリスクになり得ます。
人口がもともと少ない韓国では、「そもそも国内で頑張ってもたかが知れている」ことがわかっているために、最初から世界に出て行く若者が多く、政財界から芸能界までたくさんの人がグローバルに活躍しています。
これからは、日本でもそうした視点が求められることになるでしょう。というより、そうしないと未来が危うい!
……と言いましたが、我が事として実感できていないのはみなさん世代までで、実は、若者たちはとっくに変わっているようです。サッカー選手の場合も、「まずは日本で活躍してから」ではなく、いきなりヨーロッパのリーグを目指す人が増えています。
同様に、灘や開成といった有名校の優秀な生徒の多くが、東大や京大を目指さず、大学から海外に行ってしまいます。東大から有名企業に入ることが成功のモデルケースだったのは、もう過去の話なのです。
今、世界中の企業が「優秀な人材」を欲しがっており、そこに国境はありません。一方で、醬油や味噌、和菓子、日本酒などをつくっているような日本の伝統的な企業も、新たなマーケットを求めて海外進出を果たしています。これまでのような「日本で働く」「日本企業で働く」というスタンスを保ち続けることは、もはや難しい時代なのだと思います。
海外にわたってグローバル企業に入るのか、自分で起業して世界的なビジネスを展開していくのか……。方法はさまざまでも、世界的視野は絶対に必要になってきます。当然のことながら、親もそういう時代だと思って準備をしなくてはいけません。しかし、そこで「英語さえしっかり学ばせれば一歩リード」と思ったら、その時点で失敗です。
語学はAIが代替できる代表的な分野です。自動翻訳機能はめざましい進化を遂げています。そこに膨大な時間を使うのはもったいない。そんな時間があったら、ほかの特性を磨かせるべきです。