『逃げ上手の若君』と通じるDISH//の戦い方

――『逃げ上手の若君』は、自分の運命からは逃げず、その時にベストな道を選んでしなやかに戦う強さが描かれていますが、DISH//の戦い方にも通じるところがあると思いますか?

北村 常に立ち向かってはきたんですけど、数年後のために今はこうしようという選択をとってきたこともありますね。

僕ら、デビュー10周年に『「再青」プロジェクト』というものをやったんです。楽曲を提供してもらっていた頃の曲を今の僕らの音で再生し直すプロジェクトだったんですけど、当時、賛否両論があって。でも、今までの自分たちを肯定してあげたい気持ちも、今の僕らの音として残したいっていう気持ちもあったから、「信じてくれ」っていう思いでやりきったんです。

あのプロジェクトで、過去の曲が改めてちゃんと自分たちの楽曲になったという感覚がありました。でもある意味、守りだったのかもしれないとも思っていて。だから今思い返すと、『逃げ上手の若君』と『「再青」プロジェクト』には通じるものがありましたね。

DISH//としての運命からは逃げないということでもあったし。いい迷いもあって、僕らにとってすごく大きいものになりました。

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――メジャーデビュー11年の今、1年目と比べてもっとも成長したと思うところはどこですか?

北村 メジャーデビューの時と今では、ライブから楽曲への向き合い方からスタイルがまったく違いますね。僕らは年齢のわりにはバンドの歴が長いから今までいろいろなことがあったけど、今、すごくシンプルに、音楽が楽しいですね。

泉大智(以下、泉) 僕は途中で加入したんですけど、僕が入る前のDISH//からも今はかなり変わっていると思うし、いまだに変わり続けていて、いい意味でまだ完成形じゃなくて。まだまだ伸びしろがあるバンドだなと思いますね。

――今回の主題歌というタッグを経て、DISH//が新たな武器を手にした感覚はありますか?

 DISH//の和テイストのロックというのは以前からあったんですけど、それを、自分たちの手で作ることができたという手応えがありますね。今回、明確にDISH//の方向性として提示できたと思います。

 この曲や『逃げ上手の若君』と一緒に進んでいきたいですね。『プランA』はフェスでもやる機会が多いと思うので、DISH//のいろんな曲を聴いてもらえるきっかけとしての武器になったと思います。

取材・文/川辺美希 撮影/恵原祐二  Hair & Make Up: Kosuke Enami Styling: Shinya Tokita

衣装クレジット/◼️北村匠海:ニット \42,900 パンツ \69,300 ともにシュープ タンクトップ \17,600 ユウキ ハシモト(すべてサカス ピーアール) その他スタイリスト私物 ◼️矢部昌暉:ジャケット \107,800 パンツ \61,600 ネクタイ \9,900 すべてタム(サカス ピーアール) Tシャツ \15,400 ドレスドアンドレスド その他スタイリスト私物 ◼️橘柊生:ブルゾン \47,300 パンツ \53,900 ともにイントゥーダスク(ジェットン ショールーム) Tシャツ \22,000 タム(サカス ピーアール) その他スタイリスト私物 ◼️泉大智:シャツ \38,500 パンツ \44,000 ともにヴェイン(サカス ピーアール)その他スタイリスト私物