要求がエスカレートして病んでしまうアイドルも
6月25日放送のテレビ番組「上田と女が吠える夜」にて、“推し”に対して「プロデューサー目線になってしまうファンがいる」と取り上げられ、話題になった。番組内では「求められてもないクソみたいなアドバイスをしてくるファンがいる」とコメントするタレントもいた。
これに対し、SNSでは「よくぞ言ってくれた」「あるあるすぎる!」など共感の声が多く上がる一方で、「つい熱が入ってプロデューサー目線になってしまうのでは?」「推しのことを思って言っているんだろう」など、擁護する声も上がっていた。
なぜファンの中には、プロデューサー目線になってしまう人がいるのだろうか? まずは業界に精通している記者をはじめ、実際にアイドルの現場に参加している方々に実情を聞いてみた。
●アイドル事情に詳しい芸能記者
純粋に「推しが売れてほしい」という思いからプロデューサー目線になるファンもいれば、承認欲求を満たすために「ライブ中にレス(アイドルからの反応)がほしい」「Xで“いいね”してほしい」といったことをアイドルに言う人もいます。女性ファンの場合は、「自分の理想像に近づいてほしい」という思いから、プロデューサー目線になってしまうタイプが多い印象です。
●AKB48全盛期の時代を知る30代男性
そういうファンは昔からいましたよ。握手会で推しに「省エネダンスするな」とか「SKE48のダンスを見習え」とか言っている人もいましたね。握手の時間は5〜6秒と限られているので、当時は「2ちゃんねる」に推しの悪口やダメ出しを書く人が多かったです。
僕は「何でファンのくせにプロデューサー気取っているの? プロデューサーは秋元康先生だから」って思っていました。
●アイドルファンの20代男性
「SNSやブログをもっと更新したほうがいいんじゃない?」とか「ダンスの表情が固い」とか説教しているファンをよく見ますね。
以前、握手会で俺の前に並んでいた 50代くらいのおじさんが、20歳のアイドルに向かって「人によって対応変えているんじゃないの? 若いファンにばかりいい対応してさ」と説教して、そのアイドルが泣いちゃったことがありました。
●メンズ地下アイドルファンの30代女性
メンズ地下アイドルの特典会では、「ライブ中もっと私にレスちょうだい!」ってブチギレたり、泣いたりしているファンをよく見ますよ。心のどこかに「自分だけの男になってほしい」という気持ちがあるから、そういうふうになっちゃうのかなぁ。ファンの要求がエスカレートし過ぎて、病んでアイドルを辞めちゃう子も多いです。