蓮舫氏も最後に猛攻「今度は東京都の花になりたいんです」

石丸、田母神両氏の“頑張り”によって相対的に存在感が低下したかに見えた蓮舫氏も終盤、小池氏からの挑発に応えて猛攻に出る。

東京都民の低い可処分所得をどうするのかという、小池氏にとってはアタマの痛い話題での場面だ。小池氏が「私はやはり、ここは国策だと思います。一つの自治体だけではございません」と国の仕事だと強調し、返す刀で「都民の命、そして暮らしを守るためにも、もっと、野党が頑張ってくれればよかったんじゃないでしょうか」と野党に矛先を向けた。

蓮舫氏
蓮舫氏

これに蓮舫氏は即座に反撃。

「野党は頑張っているけど与党が聞かないんですよね。なぜならば(自民党は)裏金に集中してますから」(蓮舫氏)

と、裏金問題を持ち出して、自民党の姿勢を批判すると、小池氏がさらに反撃し、バチバチと火花が飛び散る展開になった。

「その点を、もっと国会で。もう蓮舫さんは国会の花ですよ。がんばってほしかったですね」(小池氏)

「今度は東京都の花になりたいんですが。ちなみに(小池氏が国会議員時代)清和会(旧安倍派)に所属していた時って、還元(パーティー券収入を還元した裏金)もらってました?」(蓮舫氏)

「ないですね。はい。パーティー券を、売らないと戻してくれないわけでしょ」(小池氏)

「そのシステムは入っている方の方が詳しい。私はパーティーやったことがないので分かりません」(蓮舫氏)

緊張感みなぎるマッチアップ
緊張感みなぎるマッチアップ

遂に起きた正面衝突が終わると、討論は最後の発言に。蓮舫氏は「小池さんの話が聞けたのは、私はすごく勉強になって、私ならもっとやれると思いました」と述べ、東京都政を担う能力が自分にはあると強調してみせた。

小池氏の対抗馬は蓮舫氏ではなく自分だとアピールした石丸氏は「お互いに質問して答弁をする際に、きちっと答えないっていうのは、これはまず、視聴者、国民、有権者に対してものすごい失礼だと思いました。

政治家というものは己の身を守っている場合じゃないんです」と、ここでも言外に小池氏の態度を厳しく指摘した。

このころには余裕の表情に戻った小池氏は、他の3人との記念撮影を終えると会場を後にした。

めちゃくちゃな内容のポスター掲示など、不祥事が目につく今回の東京都知事選。選挙期間中唯一の機会になるかもしれない今回の候補者討論会は、数少ないまともな?政策論争の場となり、大いに盛り上がった。

討論会終了後、小池氏を見送る3人
討論会終了後、小池氏を見送る3人
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取材・文・撮影/ 集英社オンライン編集部ニュース班