ガチ勢が支配するディズニーランド

このDPAのシステムは、2022年5月19日から導入された。当初の対象施設は、東京ディズニーランドの「美女と野獣“魔法のものがたり”」、東京ディズニーシーの「ソアリン:ファンタスティック・フライト」の2つだけであったが、今ではパレードやショーも含めると、DPAの対象は10個以上になっている。

DPAの導入はもちろん賛否があったが、今ではこのDPAすらもすぐに売り切れになるような状態に。たとえ平日のド真ん中でも、人気アトラクションの「アナとエルサのフローズンジャーニー」は、開演から数分でDPAが売り切れになっていた。そのため、中には「DPAをもっと値上げするべきだ!」という声まであがっている。

「本来こういったレジャー施設は子どもがターゲット層だと思うのですが、家族で存分に楽しもうとすると、海外旅行並みの金額になってしまううえ、子どもには理解不能なシステムばかり。そのため、今では大人だけが楽しむ場になりつつあると感じています。DPAの発売のほかにも、日本のディズニーだけがコロナ禍以降も年パスを復活させないなど、収益優先にしているのが露骨になってきていて、なんだか残念です」(Aさん)

写真/Shutterstock.
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こうして“存分に遊ぶにはお金をたくさん出すしかない、しかしお金を出したとしても遊びきれる保証はない”…という状態となり、いつしかディズニーリゾートは“ガチ勢”たちの情報戦にまで発展。子どもはもちろん、ライト層すらも踏み入れられない領域となってしまった。

「期間限定のショーやアトラクション、最新のエリアを楽しみたい場合はガチ勢との戦いになるのですが、これが普通の人ではもはや太刀打ち不可能。まして、子連れでは論外です。例えばガチ勢は、シンデレラ城前のショーは、前日からランドへ続く歩道橋の階段から並んだり、入場のためだけにディズニー内のホテルをとって、ホテルでは寝ないでおもてに並ぶとかをしていますから……。そもそも前日から並ぶのはルール違反なのですが、公式は黙認状態です」