「なんか腹たったから折ったわ」たびたび容姿もイジられた 

しかし、Aさんと親交を深めていくうちに、だんだんと麻也は本性をあらわにした。

「初めて麻也の家に行ったときに、自分はペン回し用のペンを持っていったんですけど、彼が『これ回しやすいやんけ』と言うので、あげたんです。

ところが、つぎに麻也の家に行ったら、そのペンが真っ二つに折られて床に捨てられていて、理由を聞くと『なんか腹立ったから折ったわ』とヘラヘラ話していました。

それと、麻也は僕のことをよく肩パンしてきましたね。なぜか急に『あかん、なんか腹立ってきたから殴らせろ』とか言って、肩をボンッと殴ってくる。当時からそういう衝動的なところがあったというか、暴力性は確実にありました」(同)

また、Aさんは矢野容疑者にこんな悪口を言われたこともあったという。

「当時まだ女性経験がなかった僕に対して、『なんやお前、まだ童貞なんか』みたいな感じでやたらとバカにしてきて、そこから童貞イジリをされるようになり『○○(Aさんの実名)と名前がつくやつはみんな童貞やな』と無神経なことを平気で言ってきました。

たびたび容姿もイジられて、ちょっと外で変な人を見たら『こいつキモイな、A以下の存在やん』とも言われました。当時は顔には出さなかったけど、やっぱり精神的にはキツかったですね」(同)

自虐的な音楽をつくっていた矢野容疑者だが…(本人SNSより)
自虐的な音楽をつくっていた矢野容疑者だが…(本人SNSより)

「LINEがきて『いじめ配信のことは黙っとけよ』と口止めされました」 

一連の流れを振り返り、Aさんは「いま思うと、麻也は自分より下だと思った人間に対してはとことん強気に出てきました」と、肩を震わせた。

調子に乗った麻也の行動はさらにエスカレートし、やがてたどり着いたのが”イジメ配信”だったという。

「当時は『迷惑系』とか『炎上系』といった配信者は少なかったので、とにかく過激なことをすればニコ厨(ニコニコ動画の視聴者)が食いついてくるという風潮があったんです。

そこで麻也も『有名になるためにイジメ配信しようや』と言ってきて、その標的とされたのが僕でした。彼には『俺が適当にやるから、お前はそれに乗っかって適当にリアクションしてくれればええから』と言われて生配信が始まったのですが、ヤラセとはいえめちゃくちゃされました。

それこそ頭の上で生卵を割られたり、コーラをぶっかけられたりするのは序の口で、ドライヤ―の熱風が出る吹き出し口を肌につけられて根性焼きみたいなこともされて、正直キツかったですね。

この配信の件については、麻也がボカロPとして売れ出したころにLINEがきて『イジメ配信のことは黙っとけよ』と口止めされました」(同)

矢野容疑者の投稿(本人SNSより)
矢野容疑者の投稿(本人SNSより)