海外で大人気の『NARUTO-ナルト-疾風伝』
日本では往年の名作が多くランクインしているのに対して、海外版は比較的最近の作品に票が集中しているほか、意外なチョイスがあったりする。
まず、ひときわ異彩を放っている海外版3位の『超電磁マシーン ボルテスV』だが、こちらはフィリピンで圧倒的な支持を得て上位にランクイン。1977年に日本で放送された後、翌年の1978年にフィリピンで放送されたのだが、現代の子どもからの認知度も非常に高く、番組で集計したところ、なんとフィリピン国内での認知度は94%であった。
さらに2023年に、フィリピンで同作が実写化。平日に週5日、20時から20時半のゴールデンタイムに放送されたことで、より人気が高まったようだ。
そして、海外で圧倒的人気を誇る『NARUTO-ナルト-疾風伝』の主題歌の中で、もっとも票が集まったのが、いきものがかりが歌う『ブルーバード』(海外版6位)。
実は『ブルーバード』は海外で爆発的な人気を誇っており、昨年12月、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で、いきものがかりがこの曲を歌うと、コメント欄では海外勢の喜びの声が殺到した。
2021年のSpotify、海外で最も再生された日本の楽曲ランキングを見ても、『ブルーバード』は2008年にリリースされた曲にも関わらず9位にランクイン。今回、海外版ランキングで14位にランクインした、KANA-BOONが歌う『NARUTO-ナルト-疾風伝』の主題歌『シルエット』も、同年の8位にランクインしていた。
海外勢のほうがコアなランキングになったことを受けて、SNSではアニメファンたちが動揺している。ねこねこさん(@maomao__kawaii)に話を聞くと、「ゴールデンタイムに放送される番組なので難しいとは思いますが…」と、国内版ランキングに対する思いを語ってくれた。
「深夜アニメのアニソンもいい曲が多いのでもっとスポットが当たってほしかったです。一般層に聞いたアニソンランキング、オタク層に聞いたアニソンランキングをそれぞれ作ったらもっと納得する方が増えて、一般層にも深夜アニメのアニソンを知ってもらういい機会になりますし、もっとおもしろくなりそうだと思いました。
ただ、いちオタクとして地上波でアニソン特集を組んでくれたことはとてもうれしく思います。個人的な意見ですが、海外の方は日本と比べたらアニメの幅が広く、ランキングを見ていてとてもおもしろかったです! 3位の『ボルテスV』は意外でした(笑)」
結果的に、日本アニメ好きの人たちに聞くこととなった海外ランキングに対して、アニメ好きに限らず幅広くアンケートを取った国内ランキングとでは確かに、毛色が異なるのは当然だろう。
両ランキングに入った20曲、いずれも神曲ばかりだが、まだまだ知られざるアニソンの名曲はたくさんある。今度は国内でも、さらに細分化したランキングが作られることを期待したい。
取材・文・撮影/集英社オンライン編集部