3   好きなものを食べておかなかったこと 

病気になると、味覚が変わることがあります。死が迫ると、だいたい食欲は落ちます。好物を食べても、同じように味わえないから、食べようと思ってもその気にならないのです。自分の好物を食べてもまったく美味しくなくなってしまっていることさえあります。

終末期において、無理やり食べさせる必要はありません。無理に食べたとしても、それによって余命が延びることはほとんどないからです。

だから、食べられるものだけ、美味しいと思うものだけ食べればいいのです。本人が食べたくないものを食べろと押しつけるより、彼らが本当に欲しいものを望んだときにそれを味わってもらうことが大切なのです。

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これまで美味しいと思えなかったものが美味しくなることもありますから、希望は捨てるべきではありません。がんの終末期に炭酸飲料やカップラーメン、甘いものを好むようになる人もいます。アイスクリームやプリン、ゼリーなどは飲み込みが悪くなってからもしばらく食べられることがあります。ガリガリ君を好まれる方が結構いることも知られるようになって来ました。

好きなものは元気なうちに、食生活が偏らない程度に食べておいた方が後悔は少ないでしょう。