かつては女性誌の定番テーマだったセルフ脱毛

ちょっと話はそれますが、かつて女性誌では、初夏の号で必ずとり上げていたテーマがあります。それがズバリ、脱毛、ムダ毛ケア特集。
今でこそ、医療レーザー脱毛やエステサロンでの脱毛もメジャーに、そして若干リーズナブルにもなって身近な存在となりましたが、ほんの10年くらい前までは、まだまだ脱毛はセルフケアでやることが多かったんです。

そこで女性誌としては初夏の号ともなれば、
「今年こそムダ毛とキレイにさよならする!」
「トラブル知らずの脱毛ケア、教えます」
なんて特集を組み、シェーバー、脱色、脱毛ワックス・クリームなどのセルフケアはもちろん、アフターケア法、そして当時はまだハシリだったクリニックやエステでの永久脱毛の詳細などを情報としてお届けしていたわけです。
その後、サロンなどでの脱毛がメジャーになるにつれて、こうした特集はいつの間にか消えていってしまったのですが……。

それがいまや、48歳男子が全身永久脱毛……。
これが令和か。

いや、実はそうそう驚くことではないのです。なぜなら、集英社オンラインの企画会議でもついこないだ、男子のVIO脱毛がテーマにあがり、みなで盛り上がったばかりでした。
身内のことだからちょっとばかし驚いてしまったんだよ、そうそう。

あのさ、全身脱毛ってことはさ‥‥

だがしかし、およそこれまで美容にはほぼ興味がなく、そしてそもそもそんなに毛深いほうでもない我が弟よ、いったいどうした、という思いは消えない。
そして、そして、ついに聞いてしまった。

「全身てことはさ、下もですか?」(なぜか敬語になった)
「うん。やるならもう全部、と思って」

3年ぶりに会って、何が悲しくって弟の下半身の脱毛事情に興味津々の姉。
そしてふと閃いた。

「もしかしてさ、ヒゲも?」
「うん、実はそれがいちばんめんどくさかったんだよね」
「えーー! ヒゲを永久脱毛しちゃったらさ、ヒゲ伸ばしたい時、もう伸ばせないじゃん」(←ヒゲ男好き)
「あ〜自分、ヒゲが結構薄くて、ヒゲ伸ばせるほど生えないんだよ。だから2〜3日にいっぺん剃ればいいんだけど、それがすごくめんどうでさ。ヒゲがないってすごくラクだね〜」

それはちょっと姉さんにはないものだから、同意を求められてもわからないのだけど。

しかし面倒臭いという理由だけで、ヒゲはともかく全身脱毛するかね、とも思ったのだが、弟は筋金入りの理系であるため、医療用の永久脱毛そのものに興味もあったようだ。

3年ぶりに会った弟・48歳が全身永久脱毛を始めてた理由〜人類体毛事情今昔物語_b
画像はイメージです(笑)

「結構高いもんなんだね」

そりゃま、全身やれば……。

この世は、十人十色、十人十毛

そういえば、すでに海外では男性でもワキはもちろん、VIOのお手入れをするのはかなり当たり前のこととなっていて、ゴルフ仲間の友人男子がLAのゴルフ場でシャワーを浴びていたら、あちらの方にワキ毛を見られ、「OH! ジャパニーズ、ホワイ?」と聞かれたという爆笑エピを久々に思い出した。

そういえば、かなりの剛毛男子が、
「俺ってもう、腕もすね毛もすごくてさ、すね毛が靴下のゴムにからまってとれなくなったり、腕の毛がシャツとこすれてからまって毛玉になったり(俗にいうアリンコ)すんだよ。これ女の人にはわっかんねーだろ? こないだなんて親戚のチビに、”おじちゃんの足の指、なんで黒い糸くずがいっぱいついてるの?“って聞かれたんだぜ」
と言っていた驚愕エピも思い出した。

そういえば、男性だけに非ずで、以前永久脱毛の取材で美容クリニックに同行した女性カメラマンが、取材終わりに突然、
「実は私! 放っておくと眉毛がつながってしまうくらい眉毛が濃いんです! 眉毛がつながると(こち亀の)両さんみたいになるんです!…(涙)」
と叫び、その場で予約をしていた、ほほえましいエピも思い出した。

毛、って本当に人それぞれ、いろいろなんだなあ。