「ワー」と声をあげたことも…

社交性があり、店主が主催した鵠沼海岸でのバーベキュー大会にも時折参加していた“ウチダ”は、故郷の話もしていたという。

「他のお客さんが『うーやんは出身が岡山だって前から話していた』と口にしていました。頻繁に横浜までブルースのライブを見に行ってたみたいで、柳ジョージとかが好きでしたね。近辺のミュージックバーでブルース系のイベントがあれば、ほぼ顔を出してたイメージですし、サンバ系のライブでもたまたま会ったりして、よく踊ったりもしていました」

男は周囲との“トラブル”は極力避けていたようだ。

「まだ“うーやん”がうちに来始めた頃、自分のCDをかけてほしいと店に持参してきたんですけど、床に落として、踊っていた外国人に踏まれてバキバキになってしまって。そのときは『わー!』って声をあげて悲しんでいました。ただ、相手に怒りだすとか弁償を求めることもはなかった。
改めて、指名手配の写真を見てみると、似てたかもしれないですね。髪型は剛毛の短髪で、髭はあまり手入れしていなかった。手配写真より太めの黒縁メガネをいつもしていましたが、メガネ越しの目の感じが似ていた気はします」

東アジア反日武装戦線「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループが犯行に及んだ三菱重工ビル爆破事件の現場となったビル(写真・産経新聞社)
東アジア反日武装戦線「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループが犯行に及んだ三菱重工ビル爆破事件の現場となったビル(写真・産経新聞社)

最後に店に来たのはコロナ禍前の2019年ごろ、その頃までは「元気そうにみえた」と店主は話す。

「でも、うーやんが、あの“桐島”だと名乗ったことを知った際はゾッとしました。人柄を知ってるからまず信じられなかった。さらに今朝、亡くなったのを知った際は涙が出ました。それぐらい愛されていたキャラクターでしたから…」

“ウチダ”は本当に桐島なのか…。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

#1「本当に桐島か?」「逮捕できるのか?」“秘密の暴露”に矛盾はないけど顔が違う…? 迫るタイムリミットと49年の壁。連続企業爆破事件を振り返る〈「さそり」指名手配犯確保?〉
#2「イェ~イ、イェイ」とDJバーを盛り上げ、ギターも弾いていた…でも「自分は幸せにできるタイプじゃないから」と女性との交際は拒否、過去に神奈川県警と接触も?〈自称・桐島聡死亡〉