USB-Cはケーブル選びに要注意!

USBは、データ転送だけでなく、充電(電力供給)にも利用できる便利な技術だ。

特にUSB-C規格は、「USB PD」(USB Power Delivery)という高速給電規格に対応しており、以前の規格よりも大量の電力を供給可能。これにより、USB-Cで充電するノートPCやスマートフォン、タブレットが増加している。最近では、iPhone 15シリーズがUSB-Cに対応したことが話題となった。

USB-A、C、2.0、3.2 gen 2……ややこしすぎて、利用者は阿鼻叫喚。「USB」の形状と表記は、なぜこんなにもわかりにくいのか? 間違って購入しないためにはどうすれば?_04
最新のiPhone 15および15 Proシリーズは、USB-Cポートを搭載。現行Apple製デバイスでも、USB-Cが主流になっている(写真/apple.com)

このように注目度が高まってきたUSB-Cだが、ケーブル選びには注意が必要だ。なぜなら、選択するケーブルによっては、望む性能が得られないことがあるからだ。

ケーブル選びで重要なのは、転送速度と対応電力の2点。転送速度に関しては、「ケーブルがUSB 3.xかUSB 2.0か」を確認しよう。USB 3.x規格は5〜20Gbpsの転送速度に対応するが、一方のUSB 2.0は最大0.48Gbps(480Mbps)。単に充電用として使う場合は問題ないが、データ転送に使う場合は速度の遅さが問題となるかもしれない。

対応電力に関しては、USB PD対応であることと、対応する電力(たとえば60Wや100W)が明記されているケーブルを選ぶとよいだろう。USB PDに非対応のケーブルを使用すると、高速充電ができず、時間がかかってしまうことがあるからだ。

特にノートPCは注意が必要だ。ノートPCには、大きな電力数に対応した電源アダプタが付属することがあるが、ケーブルの対応電力が低いと、アダプタの性能を十分に活用できない。たとえば、アダプタが96W対応でも、ケーブルが60Wまでしか対応していない場合、最大でも60Wでしか充電できない。

USB-Cケーブルは、オンラインショッピングや100円ショップなどで低価格の製品が多数販売されている。しかし規格や性能が複雑であるがゆえに、「購入したけど、思ったように利用できない」と残念な結果に終わる場合も十分考えられる。購入時には、パッケージの表記をしっかり確認して、選ぶようにしよう。

文/小平淳一