多くの人を悩ませ続けた「USB3.x問題」
しかし、USBのバージョン表記は、USB 3.0以降から一気に混迷し始めた。
USB 3.0が登場した5年後に「USB3.1」という規格が登場したが、その際、なぜかそれまでのUSB 3.0を「USB 3.1 Gen 1」に、新しい規格を「USB 3.1 gen 2」と呼ぶことにしてしまった。ちなみに、「gen」とは「ジェネレーション(generation)」を意味している。
この変更だけでもわかりにくいのだが、それから4年後の「USB 3.2」の登場で、さらに事態は複雑に。以前のUSB 3.0(USB 3.1 Gen 1)は「USB 3.2 Gen 1」に、USB 3.1 Gen 2は「USB 3.2 Gen 2」に名称が変更され、新たな規格は「USB 3.2 Gen 2x2」と名付けられた。「x2」は2倍の速度を意味しているが、結果的に、この表記は非常に理解しにくいものになってしまった。
また、過去の規格の呼称変更は、PC周辺機器市場にも混乱をもたらした。
たとえば、USB 3.0対応として販売されていた周辺機器は、新しい呼称に合わせて「USB 3.1 Gen 1」と表記を変更し、パッケージを作り直す必要があった。このため、販売店には古い呼称と新しい呼称の製品が混在し、消費者にとっては混乱の元となっってしまったのだ。
この問題は、時間が経つにつれてある程度解消されたといえる。USB 3.2が登場したのは2017年で、その後5年以上が経過し、現状市場にあるほとんどの周辺製品は「USB 3.2 Gen xx」という表記に統一されている。以下の表に呼称の変遷をまとめたが、現在は主に「3.2」ベースの呼称を覚えておくとよいだろう。