「家族団欒しているような姿も想像できない」
社内でまで謎の存在だったという安住アナ。どんなふうに謎なのかも聞いた。
「売れっ子アナで仕事が忙し過ぎて、管理職になっても週一で行われる会議にほとんど顔を出しませんでした。とにかくアナウンス部にいないので。当時はアナウンス部員に伝言などがある場合は、名札のところに書いた紙を貼っておくと出社した時にそれを読んでチェックしていたのですが、いつまでたっても読んだ形跡なし。今はどうなっているのやら。たまに夜遅くにアナウンス部にいくと安住とばったり会って、『ワアー、安住アナだ!』と私の方が感動したり(笑)」
だからこそ、吉川アナも安住アナの結婚報告には驚いたという。
「安住は自分の出演番組だけでなく、他局のテレビやラジオも録画・録音しては、それらすべてをチェックするほどの仕事熱心ぶりで、家には何台ものテレビがあるというのは社内で有名でした。十数年前からは働き方改革で、残業や休日出勤が多かった安住も強制的に休みを取らされている思いますが、その休みのときですら番組チェックに余念がなかったはず。すべてが仕事優先でストイックな人という感じがしていたので、女性とのデートに時間を割くようなこと自体が想像つかないというか。家族団欒しているような姿も想像できないし」
実際、安住アナは、自身がパーソナリティを務める同局ラジオ「安住紳一郎の日曜天国」(日曜前10:00)では「前から話している通り、私、共同生活には向いていないタイプなので、いわゆる別居婚というか、一緒には住んでいないんですよね」と明かしている。
それだけに吉川アナは、お相手の西島まどかさんについては「そんな安住のペースに合わせてくれるような、自立したおおらかな女性なのではないか」と想像する。
「テレビで見る安住のイメージは、親しみやすく朗らかそのものだと思うんですけど、仕事以外ではそうでないかもしれない。お茶の間で好かれる人気アナでも、裏では人知れずに大変な努力をして様々な勉強をしているはず。悩んだり反省したりイライラすることもあるでしょう。
だからリビングで仮に安住がブスーッとした顔しても放っておけるような心の広さとか、どちらが無理するでもなく居心地のいい空間を築き合えるような女性なのかなと想像しています。本当に、心からおめでとうと言いたいです! TBSにも生涯独身の男性アナはいらっしゃったし、てっきり安住もそうなるのかなと思っていたから…」
安住アナから直接の結婚報告はあったかと問うと「ないです!」ときっぱり。
「私がTBSにいたとき、アナウンス室の誰かと安住が特に親しいということは聞いたことがありませんでした。多分、TBSのアナウンサーたちも結婚報告きいてびっくりしたのでは。私は定年後10年近くたった今でも、後輩や先輩アナウンサーと連絡とりあって時々は食事したりしています。フリーなって活躍している後輩たちからもメールがきたりしますが、でも安住とはそんなことはないので。」
改めて、と吉川アナは安住アナの結婚を喜んだ。
「これからもますます精力的に仕事もやっていくのだろうけど、結婚したからって彼の仕事のスタンスは何も変わらないようにも思いますね。でも年齢を考えたら、体力や精神的にも若いころとは違って頑張りがきかずに疲れもたまってくるころですから、結婚にはいいタイミングだったのかも。同じ家に誰かが住んでいるって感覚は心が安らぎますし、健康を気遣ってくれる人がいてくれるのは安心です。毎日、朝からテレビにラジオにと出ずっぱりの安住にそんな安心を感じてほしいと思います。本当におめでとうございます」
自ら結婚報告した『THE TIME,』で安住アナは「これからも一生懸命、朝の番組に奉公したいと思います」と、奉公を強調しながら笑みを浮かべた。これからも安住さんの爽やかな笑顔を見続けたい。
取材・文/河合桃子