黒いウンチ、皮膚のイボ、左肩のしこり、思わぬところからのサインも

3 黒いウンチ

このサインが出たら、すぐに医療機関を受診したほうがいいでしょう。
胃がんの場合、まるでイカ墨パスタを食べた後のような真っ黒なウンチが現れることがあります。
なぜ色が黒いのかというと、がん細胞からの出血による血の成分が混ざっているからです。
例えば大腸がんと比べると、大腸がんの出血はよりお尻に近いため、比較的新鮮な状態のまま体の外に出て赤いウンチとして排出されます。

ですが、胃がんからの出血は、胃、十二指腸、小腸、大腸と通るため、変色し、最終的に体の外に出るときに黒っぽく見えてしまうのです。
また、血と胃酸が交じり合うことでさらに黒くなりやすいと言われています。
例外として、鉄剤などの薬を飲んでいる人は、その影響でウンチが黒くなることがありますが、そういったものを飲んでいないのに、黒いウンチが続くようであれば、すぐに医療機関を受診してください。
黒いウンチが続いていると、貧血になっていてすぐ輸血が必要な場合も。
定期的に、自分のウンチの色はチェックしましょう。

体に現れる胃がんの5つのサイン‥すぐお腹いっぱいになる、みぞおちが痛い、黒いウンチが続く…皮膚と肩に現れる意外なサインとは?_2

4 皮膚のイボ

医者の間では、皮膚は内臓を映す鏡という言葉があり、皮膚のサインを捉えることで内臓の病気の早期発見につながることがあります。
胃がんのサインとして、脂漏性角化症=老人性イボという症状で現れる場合があります。
脂漏性角化症とは、皮膚の老化により、茶褐色~黒のイボのように膨らんだ状態なのが特徴です。ただのシミの種類の一つという場合もありますが、強いかゆみと一緒に全身に急にイボができ始めた場合は胃がんのサインであることも。

全身のイボが急に増え始めることを医学用語では「レーザー・トレラ兆候」と呼んでいて、内臓の腫瘍、その中でも胃がんの影響によって起きている可能性があるため、内臓の精密検査を行うべきとされる、きわめて重要なサインなのです。

皮膚の一部にできるイボはそれほど気にしなくてもいいのですが、全身にできてかゆみを伴う場合はまず皮膚科を受診し、その後内科を受診する流れになりますが、こういったサインも見逃さないようにしましょう。


5 左肩のしこり

左の肩の鎖骨の後ろの隙間部分にしこりがあると胃がんの転移による可能性があります。
特にしこりがカチカチに固かったり、動かそうとしても動かなかったり、痛みを伴ったりしている場合は要注意です。
この症状は体の左側にしか起こりません。
胃がんはリンパの流れにのって拡大しようとします。胃を取り囲むリンパ節の構造によって左の鎖骨のリンパ節に辿りつきやすいため、左側にしこりができるのです。
この現象を医学用語で「ウィルヒョウ転移」と呼ばれています。

このサインは、転移が進んでいるということなので、できればその前にほかの4つのサインなどで胃がんの早期発見につなげるようにしましょう。

体に現れる胃がんの5つのサイン‥すぐお腹いっぱいになる、みぞおちが痛い、黒いウンチが続く…皮膚と肩に現れる意外なサインとは?_3