Netflix業績V字回復 2つの要因

Netflixは2022年3Qから2四半期連続の減収に見舞われていた。2021年11月に700ドルをつけていた株価は、2022年に入って160ドル台まで低迷した。だが、現在は目覚ましい業績回復を受けて、400ドル後半まで持ち直している。

業績が回復した要因は2つある。広告プラン(広告付きで安価にサービスを利用できるプラン)の導入による新規ユーザーの開拓と、アカウント共有禁止による「タダ乗り」ユーザーの取り締まりだ。そしてこの2つは実のところ1本の線で繋がっている。

会員数はアナリスト予想を大幅に上回る

Netflixは2022年11月に広告プランを導入した。2023年2Q(4-6月)はその成果が出る期間だと見られていたため、決算の数字に注目が集まっていた。

2Qの売上高は前四半期比3.2%増の81億8700万ドル、営業利益は同6.6%増の18億2700万ドルだった。増収増益だったものの、株価は一時10%安になるなど、市場には失望感が広がっていた。会員数がアナリストの予想を下回っていたためだ。

しかし、3Qの会員数は予想を大幅に上回り、ここ数年で伸び率は最高を記録している。

Netflixの売上高の推移(※Quarterly Earningsより筆者作成)・1Q…4月から6月の「第1四半期決算」、2Q…4月から9月の決算発表であり「中間決算」、3Q…10月から12月の「第3四半期決算」、4Q…4月から翌年3月までの1年間の「本決算」
Netflixの売上高の推移(※Quarterly Earningsより筆者作成)・1Q…4月から6月の「第1四半期決算」、2Q…4月から9月の決算発表であり「中間決算」、3Q…10月から12月の「第3四半期決算」、4Q…4月から翌年3月までの1年間の「本決算」
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売上高の推移を見ると、広告プランを導入した後の2023年1Q、2Qで2022年の停滞期を抜け、アカウント共有の禁止を本格化した3Qに一段踏み上げる様子がわかる。