ベリー・ベリー・エキサイテッド!
1986年に公開された映画『トップガン』は、エリートパイロットを養成する訓練学校を舞台に、若者たちが友の死や恋を経て成長していく物語。ダイナミックな映像や心躍るテーマ曲、そして映画の大ヒットと共に、主演を務めたトム・クルーズが一躍トップスターの座に躍り出た作品でもある。
コロナ禍による公開延期を乗り越え、36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』が初めて一般客に公開されたのは5月4日(日本時間5月5日)。アメリカ、サンディエゴで行われたグローバルプレミアで、トムはヘリコプターで颯爽と登場した。
5月18日のカンヌ国際映画祭ではフランス空軍のアクロバット飛行チーム「パトルイユ・ド・フランス」による曲芸飛行が披露されるなか、名誉パルム・ドールを受賞。
そして5月20日に行われたロンドンプレミアでは、キャサリン妃の手を取ってエスコートするなど、ド派手かつ華麗なプロモーションで世界中を連日沸かせてきた。
大の親日家として知られるトムだが、来日するのは2018年7月の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)ジャパンプレミア以来、3年10か月ぶり。『遥かなる大地へ』(1992)で初めて日本を訪れてから、3年以上間が空くのはこれが初めてとなる。
プロデューサーを務めたジェリー・ブラッカイマーと共に会見に登壇したトムは、開口一番「ベリー・ベリー・エキサイテッド!」と、来日の喜びを語った。
圧倒的な疾走感と浮遊感の秘密とは!?
すでに世界中で絶賛されている『トップガン マーヴェリック』の魅力は、まるで観客自身が戦闘機に乗っているかのような感覚になる圧倒的なリアリティ。実はトムは続編を製作するにあたり、「グリーンバック(合成撮影)を使用しないこと」、そして「実際に俳優が戦闘機に乗って撮影すること」にこだわったという。
ジェリー・ブラッカイマー曰く、「俳優たちは戦闘機F/A-18に乗って撮影ができるよう、トムが特別に組んだ3か月のトレーニング・プログラムを実践した」というから驚きだ。
「彼らはプロペラ機に乗ることから始め、曲芸飛行をする機体、そして戦闘機に移行しながら重力への耐性をつけました。F/A-18に乗るには、7〜8Gの重力に耐えなければいけません。1Gで感じるのが自分の体重。つまり、彼らは体重の7〜8倍の重力がかかるなかでも気絶しないように訓練をしたのです」(ジェリー・ブラッカイマー)
劇中でもパイロットが壮絶な重力に耐えるシーンが出てくるが、「映画の中で戦闘機が上昇すれば彼らも上昇し、降下すれば彼らも降下。曲芸のようなターンをすれば彼らも同じように体験している」そうで、映像にリアリティがあるのも納得。実は前作でもF-14戦闘機に俳優が乗って撮影を行ったそうだが、「実際に使えた映像はトムのものだけ。ほかの俳優たちはみんな吐くか失神するかのどちらかでした」と裏話も明かしてくれた。