メジャー経験のある2投手のチャンネル運営術
【セ・リーグ】
セ・リーグOBのYouTuberはパ・リーグ以上に人材が豊富。元ヤクルト監督・古田敦也が技術論を深堀りする「フルタの方程式」、元中日監督・谷繁元信「谷繁ベースボールチャンネル」、元DeNA監督アレックス・ラミレス「ラミちゃんねる」と監督経験者のチャンネルも多い。また、広島勢では高橋慶彦「よしひこチャンネル」が毎日欠かさず動画をアップ。その衣笠祥雄ばりの鉄人ぶりが光る。
そんななか、セ・リーグを代表する二本柱は元巨人のエース・上原浩治「雑談魂」と、元中日エース・川上憲伸「カットボールチャンネル」。この2人の魅力は「トーク力」と「独自性」だ。
「雑談魂」の武器はゲストの大物感。松井秀喜の初YouTube出演を実現させて200万回再生超が2回、100万回再生超も1回。同じ誕生日の元巨人チームメイト、高橋由伸との競演では300万再生を突破。最近でも、昨季限りで監督を退任した工藤公康が退任後初めてゲスト出演した配信では100万回再生を突破した。
これ以外でも、ほとんどのゲスト出演回で100万回再生超は当たり前。同じゲストが他のチャンネルに出演してもそれほど再生回数が伸びないというケースが多い。その中で、上原浩治の話術、話題性のあるゲストを次々ブッキングして興味を尽きさせないチャンネル運営の努力と工夫が垣間見える。
一方、明らかに他の球界OBチャンネルと一線を画しているのが「川上憲伸カットボールチャンネル」だ。いわゆる野球解説動画も面白いが、注目すべきは“野球以外”のコラボ動画の充実ぶり。
人気YouTuber「東海オンエア」とコラボしてルール無用の「反則野球」に興じたかと思えば、お笑いコンビ「ニューヨーク」とコラボして互いに野球をディスって見せたり、松村邦洋とモノマネ対決をしてみたり……彼ら芸能畑の人間とコラボしても笑いの量で負けない話術、トークの切れ味は凄まじい。