休業を決意したある依頼とは?
――狙い通りですね(笑)。
そのほか変わったところでは、整形のダウンタイム中の30代女性から「まだ顔が腫れてるから誰にも会いたくないけど、誰かと直接会って話して寂しさを埋めたい」といった内容のものもありました。
思い返すと、このように女性からの「ぶさいくだから外面を意識する必要がない」といった内容の依頼が圧倒的に多かったですね。
――ぶさいくってほんとうに需要あるんですね!
でも、ぶさいくである必要のない依頼もありましたよ。
コンドームの啓蒙活動をしてる人の話をただ聞くって内容です。コロナ禍で人も集められないし、大学などをまわることもできないけど、コンドームの大切さを教えたいからって僕に依頼がきて……。目の前に30種類くらいコンドームを並べられて、延々と重要性を説明されました(苦笑)。
――たしかにぶさいくは関係がない(笑)。
特にひどかった依頼が、地下アイドルの引っ越しを手伝わされたこと。
もらったのは交通費だけで、4時間くらい本当にただの労働力として呼ばれ……あれはさすがに心が折れましたよ。
――レンタルぶさいくは交通費以外無料だったから、引っ越し代をケチっただけだと。
そういうしんどい依頼も増えてきたり、僕自身コロナにかかって依頼が激減したこともあり、サービス開始の約半年後の2021年2月に休業することにしたんです。
ぶさいくにしかない需要を見つけるも、志半ばで休業を余儀なくされたレンタルぶさいく氏。しかし、なぜ今海外でレンタルぶさいく業を? 後編では現代日本にはびこる“弱者男性論”とともに聞く。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班