各地で桜の開花宣言が発表され、お花見シーズンにいよいよ突入! 新たな生活様式にも慣れてきた今年は、家族や少人数でサクッと桜を愛でるのもよし、食卓にお酒の花を咲かすもよし。心華やぐ、この時期にぴったりな一杯とともに春の到来を祝いたい。今回の「うち飲み向上委員会」では、桜シーズンに飲みたいお酒をツレヅレハナコさんと一緒にお届け!
お花見気分のお酒&ツレヅレハナコさん流おつまみ
エディターAKIYAMA(以下A)前回の「おうちカクテル講座」に続き、文筆家のツレヅレハナコさんをゲストにお迎えし、お花見気分を盛り上げてくれるお酒をご紹介します!
ツレヅレハナコさん(以下T)おすすめのお酒2種と、ピクニックでも家でもおいしく食べられるおつまみレシピも考えてきました。とても簡単なのでぜひお試しを。
ライターYOKOMIZO(以下Z)最後には「ベストうち飲み賞」も発表。週末のお酒とおつまみはこれで決まりですよ〜!
山形のおいしいワイン「ペティアン・ロゼ 2019」(ツレヅレハナコリコメンド)
T 山形県産ぶどう100パーセント!
桜と言えば、思い浮かぶのがロゼ。あまり普段ロゼだけを飲み比べることってないと思うんだけど、こんな時には友達と各々好きなロゼを持ち寄るのも楽しそう。
A ステキ! 気分が上がりますし、ロゼはジャンルを問わずペアリングの幅も広いですから。
T 気軽な集まりによく持参しているのが、タケダワイナリーのワイン。都内の酒店でも取り扱いがあって、おいしいのにお手頃! 希少で高いワインを日常的に飲むのは現実的じゃないし、ワイン選びで色んな意味での買いやすさは重要かなと思う。
Z 赤に近い濃い色調で、グラスに注ぐとルビーのように輝いてきれい! 甘やかな香りときりっとした酸のコンビネーションがまさに春。このクオリティでアンダー¥2,000っていいんでしょうか!?
T ほんとソレ! ロゼは極端に甘いものもあるけど、タケダワイナリーのは果実味もしっかりありつつ、ぎゅっと引き締まった味わいで飲み飽きない。ここは白ワインもおすすめ!
台湾発クラフトビール「レモン フォルモサワ」(ライターZリコメンド)
Z 甘さは控えめ、スッパうまい!
T お〜! すっごいレモン味が濃い!
A レモンの香りもしっかり感じるね。寅年にマッチするパッケージもアイキャッチーだし、お花見の場をひと盛り上がりさせてくれそう。
Z タイフーブリューイングは台湾でポピュラーなブルワリーなんですけど、ちょっとユニークでおいしいビールがわんさか出ているんですよ! これはレモンサワーテイストのビールで、飲み方は台湾スタイルでオンザロックがおすすめです。
T ビールは造られた土地を表すから、台湾のように暑くて湿度が高いところだと、こういう爽やかでライトなビールの方が合う。飲み方も同じだよね。
Z タイフーブリューイングの直営ショップ&バーが神楽坂にあって、そこでは生ビールのタップ販売も。グロウラー(ビール専用ボトル)で持っていくのもエコだし、楽しいと思います!
上機嫌になれる美酒「刈穂 純米吟醸生酒 春kawasemi」(エディターAリコメンド)
A 日本酒のおいしさを知らないなんてもったいない!
「うち飲み向上委員会vol.10」で新政酒造の「No.6」を紹介して以来、秋田の日本酒にハマっています! 今回は春限定のものにしました。ツレヅレさんも秋田清酒の「刈穂」を飲んだことがあるんですよね?
T 飲んだことあるんだけど、春kawasemiは初めてなので嬉しい! 日本酒全般好きなんだけど、東北の日本酒は旨みがあって深みのある味わいで、とりわけ好みの味が多いんだよね。刈穂もそうだけど、ちょっとワインっぽく飲めるような、そういう日本酒も作られているよね。
Z 新酒ならではの瑞々しさにとどまらず、艶っぽく上品。口当たりはやわらかく滑らかで、飲んだ途端にポワワ〜ンと幸せな気持ちになる! これはですね、天国の味です!!
T おいしい日本酒ってたくさんあるし、おいしいワインに比べたら価格もお手頃。若い人たちにももっと飲まれるようになってほしいな。
低アルコールのチェリービール「リンデマンス・クリーク」(エディターAリコメンド)
T ベルギービールは久々だなぁ、おいしいね。チェリーの味わいがぎゅっと感じられて、飲みごたえがある。
Z 3.5%でアルコール度数も低め。甘いしサワーっぽく飲めるから、お酒が得意じゃない人も飲みやすいですね。
A 甘酸っぱくておいしいよね。ベルギーで有名なチェリービールは、お花見の季節に飲みたくなる一品。ルビー色の見た目も華やか!
T なんだか懐かしい。昔ベルギービール屋さんによく行っていた時期があってね。最初の頃は飲み方が分からなくて、バカスカ飲んでいたら記憶が飛びまして……。それをビール好きの人に話したら、ベルギービールはアルコール度数が高めなものが多いから、ガバガバ飲むんじゃなくて、ウイスキーのようにゆっくり飲むものだと。日本ではそういうビール文化がないから、目から鱗な新発見だった(笑)。
Z お酒のあれこれって体当たりでしか学べない……でもさ迷わず行けよ、行けばわかるさ。
A え! 猪木!? お酒は節度を持って嗜みましょう(笑)。
とっておきの白ワイン「ヴィブラシオン 2019」(ツレヅレハナコリコメンド)
T ワインをあんまり飲んだことがない人も親しみやすい!
アルザスワインが好きで、最近ハマっている生産者さんの白ワインを飲んでもらいたい!名門ドメーヌの長男が自分で始めた新しいプロジェクトで、本家流のビオディナミ栽培を実施しながら、これまでアルザスでは行われていなかった醸造法なども積極的に取り入れているみたい。蜜のような甘み、華やかな香りのあるリースリングのワインは春にぴったりだし、外で飲みたい味わい。
A おいし〜! フレッシュな仕上がりかつコクもある。洗練された飲み心地で、ワンランク上のお味がしますね。
T ¥3,000台のワインなので、ガブガブ量を飲むという感じのものではないんだけど、ゆっくり飲みたい気分の時に。適当なものを2本買うなら、これ1本にしてもいいかなっていう価値はある!
Z ちょっといいことがあった日やご褒美にもうってつけですね。そして今回用意していただいた2種類のおつまみは、ツレヅレさんセレクトのワインに合わせて作っていただきました! (レシピは下部をチェック)
T フィンガーフード的なものがいいかなぁと、混ぜるだけの簡単ペースト「和風ワカモーレ」と「ツナ缶のリエット」を作りました。今回おすすめした2本は、どちらも重すぎない明るいワインだから、こういうおつまみと一緒に楽しみたいよね。クラッカーや薄切りのバゲットを添えてどうぞ。
A&Z んまぁ〜いっ!!!
A どちらも最高です! ワインだけでなく他のお酒とも合うこと間違いなし、万能なおつまみですね。
新トレンド!? クラフトサイダー「Olo」(ライターZリコメンド)
Z シードルって国によって呼び名が違って、「Olo」が作られているカナダではサイダー。最近クラフトアルコール界隈ではビールに次いでサイダーがアップカミングで、ブルワリーならぬサイダリーというのがあるんですよ! ここはカナダのオンタリオ州に拠点を置くサイダリーです。
A なるほど。りんごの発泡酒ってことだね?
Z イエス、れっきとしたアルコールになります! このサイダリーは発酵に地元で採取したさまざまな自然酵母を使用するなど、こだわり派の作り手。今回はストロベリーを浸したサイダーとロゼワインをブレンドしたものを選びました。りんごとストロベリー、そして葡萄が作り出す、摘みたての果実のような甘酸っぱさがおいししい。ちょっと高級ですけど、たまには気前よくいっちゃいましょう!
T 確かにおしゃれでスペシャルな味わいだね、これは。
A 穏やかな発泡の具合もいい感じ! 飲みきりサイズのスパークリングワイン的に飲めるね。
Z 新代田にある大好きなデリで取り扱いがあって、他にもクラフトビールやナチュラルワインのセレクトがナイス。桜が見頃になったら、お弁当とサイダーを1本買って公園ランチしたい!
ツレヅレハナコさんのお花見おつまみ2品
ワカモレはパクチーの代わりにみょうがを使用した和風アレンジ。みょうがの代わりに、好きな香味野菜でもOK。リエットはディルやシソなど、香味野菜を入れたほうがツナをおいしく食べられます。
和風ワカモレ(上)
[材料](2人分)
アボカド(大) 1個
A
みょうがのみじん切り 1個分
オリーブオイル 大さじ1
みそ 小さじ2
ゆずこしょう 小さじ1
クラッカー 適宜
[作り方]
❶アボカドは包丁で縦半分に切り目を入れて割り、種を取る。スプーンで果肉を皮からかき出しボールに入れる。
❷フォークなどでつぶし、Aの材料を加えて混ぜる。お好みでクラッカーを添える。
※空気に触れるとアボカドが変色するので、すぐ食べないときは表面をラップでぴっちりと覆う。
ツナ缶リエット(下)
[材料](2人分)
クリームチーズ 100g
A
ツナ缶 1缶(70g)
玉ねぎのみじん切り 1/8個分
ディルの葉のみじん切り 5茎分
ニンニクのすりおろし 1/2かけ分
レモン汁 1/2個分
塩 少々
クラッカー 適宜
[作り方]
❶クリームチーズは室温に置くか、電子レンジに30秒ほどかけてやわらかくする。
❷ ❶にAの材料を加えて混ぜる。お好みでクラッカーを添える。
〜今回の「ベストうち飲み賞」を発表します!〜
A 選りすぐりのお酒とおいしいおつまみに心が弾み、冬の閉塞感も溜まっていた疲れも吹き飛びました! 個性豊かなお酒が揃いましたが、いかがでしたか?
Z タケダワイナリーの「ペティアン・ロゼ 2019」はこれまでの「うち飲み向上委員会」の中でもコスパが史上最強じゃないかなって思います。家に常備したい!
T 私は「刈穂 純米吟醸生酒春kawasemi」を。日本酒は同じ蔵、銘柄でも時季によって違う商品が出る。それぞれの味わいは全然違い、作る年によっても変化があって、一期一会の味わいが魅力。この日本酒の楽しさをもっと皆に知ってほしいという気持ちも込めて!
A いつものお酒とはひと味違ったチョイスでうららかな春を満喫。ツレヅレさんのおつまみレシピも手軽&失敗なしで作れるので、ぜひお試しください!
photography:Kyouka Inoue illustration:AbbottOkutani text:Momoko Yokomizo
【うち飲み向上委員会メンバー】
ツレヅレハナコ
食と酒と旅を愛する文筆家。最近は、買ったばかりのプロジェクターで海外YouTubeのローカル食べもの動画を壁に映しながら、現地のつまみ&お酒で飲んだくれるのにハマっている。新著『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)が4月13日に発売! 他著書多数。
ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。
エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ1年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。
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