英国流の優等生ぶりがたまらない

『パディントン』(2014)Paddington 上映時間:1時間35分/イギリス

アメリカのクマぬいぐるみがテディベアなら、イギリスはパディントン。英国児童文学の人気キャラクターが実写映画化され、これまた続編が作られるほどの大ヒットになった。

かつて世話になった英国人冒険家を探し、生まれ故郷の南米ペルーからイギリスへやってきたクマのパディントンの驚きに満ちた日々を描くファンタジー。何と言ってもそのパディントンがかわいい。

ペルー出身なのにきれいな英語を喋り、マナーも礼儀もちゃんと英国流。この優等生っぷりが楽しいのだ。もちろん、パディントンベアの再現度もパーフェクト。ちなみに、さらに面白いのは続編の『パディントン2』のほう。英国らしい皮肉な笑いとポップでカラフルな世界観がツボ!

リアルなクマを6年かけて演出したフランス映画

『子熊物語』(1988)L'ours 上映時間:1時間36分/フランス

B級系の悪ノリも、背筋が凍るスプラッタもおまかせ? 「クマ映画」が抜群におもしろいのには理由がある! 傑作クマ映画5選_5
発売元:アイ・ヴィー・シー
価格:DVD¥4,180(税込)
©1988-RENN PRODUCTIONS, TOUS DROITS RESERVES

美しく壮大なカナディアンロッキーを背景に、母親熊を亡くした子熊の成長を描く異色の動物映画。ドキュメンタリーではなく、着ぐるみでもない、演技の出来るホンモノのタレントクマを使い、6年をかけて撮影した労作。はちみつやミルクに夢中になり、何かあるとすぐに両脚立ちする子熊の演技(?)がとってもキュートで、まるでリアルなプーさんのよう。

B級系の悪ノリも、背筋が凍るスプラッタもおまかせ? 「クマ映画」が抜群におもしろいのには理由がある! 傑作クマ映画5選_6
©1988-RENN PRODUCTIONS, TOUS DROITS RESERVES
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演出しすぎな部分もあるが、かわいいので許しちゃいましょう! 熊を狙う猟師たちとの関係性に本作製作の意図が込められているのは、さすが『薔薇の名前』(1986)などを見事に映画化してきたジャン=ジャック・アノー監督。雄熊を演じたタレントクマの“バート・ザ・ベア”は、『ザ・ワイルド』(1997)でアンソニー・ホプキンスとも共演している演技派だ。


文/渡辺麻紀