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起業精神は高校時代からありました

オーディション番組「THE FIRST」を開催し、そこから誕生したボーイズグループ「BE:FIRST」を瞬く間に日本のトップグループへと押し上げたSKY-HI。その手腕は、ビジネス的な視点からも注目を集め、経済誌のインタビューや講演などに登場する機会も多い。

ここでは、2022年7月21日に登壇した「日経クロストレンド FORUM 2022」での講演を再録。SKY-HIはなぜBMSGを立ち上げ、THE FIRSTを開催したのか。また、今の時代のヒットに必要不可欠だと考えるものは何か。その思いを語った。(聞き手は吾妻拓 日経クロストレンド編集委員)。

──ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど幅広く活躍されているSKY-HIさんですが、今回は、20年に設立したマネジメント/レーベルBMSGの経営者として登壇してもらいました。まずは、なぜ20年にBMSGを立ち上げたのですか?  

起業精神は高校時代からありました。自分の好きな音楽が明確にあり、好きな音楽を好きなように突き詰めて、それをその時代に一番適した形で大きくしていくのはかっこいいなあと思っていたんです。

アメリカのアーティストで言えばJAY-Z(ロッカフェラー・レコードの創業者、Def Jam Recordingsの元CEO[最高経営責任者]などビジネスでも成功を収める)や、Def Jam Recordingsを立ち上げたラッセル・シモンズの本を読んだりして、起業に対する憧れもありました。

そもそも僕が10代で「AAA(トリプルエー)」というグループでデビューした背景もそこにあり、当時、貸しレコード店の店長から好きな音楽を極め続けてエイベックスを作った松浦さん(松浦勝人氏/現同社会長)が日本で1番JAY-Z的な成功を収めた人だったので生で見てみたい気持ちが強かったんです。ずっと会社を立ち上げることは自分のビジョンにありましたが、今のような形とタイミングに決めたのは19年くらいだったと思います。

世界にインディペンデントレーベルは無数にありますし、音楽業界に限らず、近年では芸能人の独立も多いし、所属するのが自分だけ、もしくは5人程度という形も多いと思います。最初に思い浮かべていたのはそんな形でした。