悲しそうな目をしたパグ、ひよ吉くん
保護犬の団体の中には、「一時預かり」というシステムを取り入れているところが数多くある。一時預かりとは、里親が見つかるまでの間、自宅で一定期間、保護犬を預かるボランティアのことだ。
つの丸さんは2021年1月から約二か月間、一時預かりを経験。それがパグのひよ吉くん(当時推定6歳)で、家庭の放棄犬だったひよ吉くんは迎え入れた際、とても悲しそうな目をしていたという……
――ひよ吉くんを一時預かりしたのは、どのような経緯だったのですか?
ピートを迎え入れてから3年半、また保護団体から、誰か預かれる人はいないかっていうお知らせが回ってきたんです。
その頃、最初に飼っていたドンが亡くなって、ピート1匹だけだったので「いけますよ」って返事をしました。保護犬を預かれるメンバーってとにかく足りていないので、いつでも受け入れられる状態にしていたという感じですね。
――一時預かりは、里親が決まるまでにしつけをする役割もあるんですか?
しつけをするというよりは、人慣れはどれくらいかとか、噛みぐせはないかとか、その子の性格を見極めて、里親さんに伝えることのほうが大事ですね。こんな感じの子ですよっていうデータがあったほうが、受け入れる里親さんも安心じゃないですか。いろんなタイプの子がいるので。
――当時、つの丸さんがひよ吉くんの様子をSNSにアップされていたのをリアルタイムで見ていたんですが、預かりの初日にまったくキャリーバッグから出てこなかったり、オスワリをしたまま一晩中、寝なかったりしていて、とても驚きました。
最初はとても悲しい顔をしていたんです。ただでさえ家庭で放棄されてやってきたわけで、さらに環境が変わって不安だったろうし、怯えていたんだと思います。それでも数日経ったらすいぶん慣れてきて、その後はどんどん元気になっていきました。ある意味、図々しいぐらいに(笑)。
――ひよ吉くんは預かって2ヵ月で里親さんに引き取られていきましたね。
里親さんが決まったときは、ちょっとだけ寂しい気持ちもないではないですが、それよりも決まってよかったなって気持ちのほうが大きいですね。今はSNSで元気な様子も見られますから、そこはいい時代になったなって思います。