傷だらけのフレンチブルドッグ、ロッコくん

つの丸さんは2021年9月から、フレンチブルドッグのロッコくん(推定5~6歳)をふたり目の家族として迎え入れた。ロッコくんもピートくん同様、ブリーダーの放棄で団体に保護されており、その体は傷だらけ。なかなか里親が見つからない状況もあり、引き取りを決めたという。

――ロッコくんの最初の頃の姿は、お尻が縫い傷だらけで痛々しかったですね。

団体に保護されたときは、お尻が座りダコだらけで、かわいそうでしたね。おそらく狭くて床の硬いケージの中にずっと入れられていたんじゃないかな。その座りだこを取ったので、大ケガみたいな傷になっちゃったんですけど。

「よし、俺が幸せにしてやる!って思っちゃうんです」漫画家・つの丸さんに聞く“保護犬迎え入れのススメ”(前編)_3
「よし、俺が幸せにしてやる!って思っちゃうんです」漫画家・つの丸さんに聞く“保護犬迎え入れのススメ”(前編)_4
やって来た当初は、お尻が痛々しかったロッコくんだが、今ではすっかりキレイに

――そんなロッコくんを迎え入れる中で、大変だったことはありますか。

大変というか、気をつけたのは犬同士の仲ですね。実は後輩のロッコは先輩のピートのことが大好きなんですが、ピートはロッコのことが少し苦手なんですよ(笑)。遊びもロッコは取っ組み合うプロレスごっこが好きなんだけど、ピートは冗談でも噛まれるのが怖い。とはいえ、寝るときは一緒に寝ているし、本当に時々、兄弟げんかをするぐらいの感じなんですけどね。

――それぞれ性格が全然違うんですね。

性格がバラバラなので面白いですよ。確かにロッコは乱暴なところがあるんですけど、一度ピートの具合が悪くなって寝込んだときは、そばでお座りして見守るというか、ずっと心配そうにしていて。

――ロッコくんも本当は優しいんですね。

でも、ピートが快復すると、またプロレスを仕掛けていくんです(笑)。面白いですよ。

――最初は傷跡が痛々しかったロッコくんも、どんどんきれいになっていき、元気も取り戻したように見えます。

体もそうですけど、ロッコもひよ吉と同じように、うちに来て顔つきがずいぶん変わりました。来た当初はかなりきつい顔をしていましたけど、今ではだいぶおっとりした顔になってます。

犬は過去にどんなつらいことがあったとして、愛情を持って迎え入れれば、いつかきっと心を許してくれると思っているんです。そして心を許すと、顔つきが穏やかに変わっていく。その顔を見た時「この子を迎え入れて、本当によかったな」って思うんです。

(後編に続く)

撮影/MIKA POSA