隻眼のフレンチブルドッグ・ピートくん

――実際にピートくんを家族に迎え入れて、大変なことはなかったですか?

ピートはブリーダーの放棄で保護されたため、それまで家庭で飼われた経験がなかったんです。だからって、特別に何が違うということはなかったですね。別に野良犬だったわけじゃないんで。保護犬というと、昔から野良犬っぽいイメージを抱く人も少なくないけど、しつけが難しいとか、人に慣れにくいとか、そういうのはまったくなかったですね。

――ピートくんには左目がありませんが、これは迎え入れた時からですか?

目の病気で角膜が悪くなっていて、うちにくる直前に左目を摘出したんです。最初の頃は少し視界が狭くなっていたからか、ちょっとぶつかったりとかはありましたけど。

「よし、俺が幸せにしてやる!って思っちゃうんです」漫画家・つの丸さんに聞く“保護犬迎え入れのススメ”(前編)_1
つの丸さんが最初に迎え入れた保護犬のピートくん

――つの丸家にはすんなりと打ち解けましたか?

最初は散歩もできなかったんですよ。地面に降ろすとうずくまって一歩も動けなくて。なのでピートをカートに乗せて、先輩のドンが散歩の手本を見せ続けました。トイレやご飯のルールなども、すべてドンが教えてくれたんです。

――ドン先輩、素晴らしい!

そうして生活に慣れてくるのと同時に、ピートはどんどん元気になっていきました。すると、今度はドンにちょっかいを出すようになってきたりして(笑)。なので、いろんな面でドンには感謝しています。