谷口、丸井、イガラシ、近藤が高校野球で再び登場!
城倉は2019年5月号『グランドジャンプむちゃ』から『キャプテン2』の連載も開始。かつてのちばあきおと同じように『キャプテン』と『プレイボール』の連載を並行して進めることになる。
『キャプテン2』では、近藤キャプテンのその後が描かれた。近藤は新しい発想の練習を取り入れ、野球部に大きな「レガシー」を残す。そして猛勉強をして墨谷高校に進学。そこには墨谷二中の先輩である丸井、イガラシ、そして予備校生と野球部の監督を掛け持ちする谷口タカオがいた。物語は再び合流し、ちばあきおが生み出したキャラクターたちがここに集結する。
今後の展開について現担当編集のグランドジャンプ編集部の柳田康介副編集長はこう語る。
「『キャプテン2』に関して、長期的にどうなっていくのかはっきりとはわかりませんが、谷口が墨谷の監督となり、甲子園を狙っていますので、まずはプレイヤーではなく監督としての彼の活躍に期待したいと思っています。
絵柄やコマ割り、つまり画面を構成する要素をちばあきお先生にあれだけ寄せることができていることはもちろん『キャプテン』『プレイボール』の本質をご自身なりに解釈され、現代ということを加味したアウトプットが不自然なくできていることが、城倉先生のとんでもなく凄いところだと思います。簡単なように見えてとんでもないことをやっているな、と感じます」
ちばあきおが、世に送ったキャラクターたち。それを受け継ぎ、続きを読ませてくれた城倉について、千葉一郎は『ちばあきおを憶えていますか』の中で「"バカな依頼"を、よくぞ引き受けてくださった。感謝のひと言しかない」と書いている。
実は、漫画家ちばあきおの人生について書かれたこの本は、増澤の「お父さんのことを書いてみては?」という一言からはじまったのだそうだ。
実際に出来上がった本を見て、息子だから知る、また描けた、ちばあきおの人物にふれることができて感動したという。そして、おそらくはその死から目を背けていた時期もあったであろう、父親の人生を巡る旅を経て、作家・千葉一郎が誕生した。そのことに深い感慨を覚えた。
構成/堀田純司
前編(ちばあきおのデビュー秘話)はこちらから