NHKだけはハイヤー取材…恵まれた取材環境に新聞記者は嫉妬

実際に、ある全国紙記者は「政局の裏側を取材した『NHK政治マガジン』など、放送では報じきれない情報をまとめた良質なコンテンツは多い」と認めつつ、こう嘆く。

「ただでさえYahoo!などでニュースが無料で読める時代に、NHKの質の高いニュースがいくらでも無料で読めると、紙の新聞はもちろん、新聞のデジタル版も買われなくなってしまう。
部数の激減、給料の低下、人材の流出など、新聞社を取り巻く厳しい状況がさらに厳しくなる」

通信社の記者もため息をつく。

「地方勤務時代は、私たち新聞記者がマイカーで取材に行くところも、NHKの記者はハイヤーで行けてうらやましいと思っていた。
東京本社に異動後も、私は会社の上司から『ハイヤーをつなぎっぱなしにすると料金が高くつくから、こまめに手放すように』と言われるのに、NHKの記者は取材先との懇親会中も、ハイヤーをずっと待機させているのをよく見かける」

※写真はイメージです
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各地での人員配置もNHKは他社より手厚いようだ。

「新聞社はどこも部数が右肩下がりで、早期退職を募るなどして人員削減を進めている。たとえば、東日本のある県では、全国紙の朝日・毎日は記者を5年前に比べておよそ半減させた。もはや、地方のニュースを丁寧に取材し、報じる余裕があるのは、地方紙とNHKくらいといっても、過言ではない」(全国紙記者)