岸田首相を悩ませる茂木幹事長の存在

文書でも指摘されているとおり、「週刊文春」は木原氏の妻X子さんが、元夫の安田種雄さん(享年28)が不審死した事件に関わっているのではないかという疑惑を毎週にわたって報道している。

7月28日には警視庁でX子さんを重要参考人として取り調べた元警部補が実名で記者会見を開き、「事件性はあります」と断言するなど話題になっているが、首相側近のスキャンダルが政権自体を大きく揺さぶり始めている。
全国紙の政治部記者は語る。

「木原氏は岸田首相が2017年に政調会長になったときにも、政調の副会長兼事務局長として支えるなどしていた。今も副長官として首相のスピーチの文言を考えるなどしており、最も信頼できる側近となっている。
首相としては内閣改造後も続投させたい気持ちが大きいはずだが、ここまで文春砲が話題になると外さざるを得ないだろう」

別の文書では、木原氏について「いよいよ精神的にまいり始めた」「とても首相側近として岸田首相を支える状況ではない」とも指摘している。
代わりになる人材案も上がっておらず、岸田首相の悩みの種となっているようだ。

木原誠二官房副長官(本人Facebookより)
木原誠二官房副長官(本人Facebookより)

しかも、内閣改造における課題は木原氏だけではない。
誤登録などの問題が相次いでいるマイナンバーカードを巡っては、拙速な健康保険証との統合予定に世論から批判が噴出。管轄している河野太郎デジタル担当大臣の責任が問われているが、「そんな課題が山積している部署の大臣なんて、能力が求められる上に汚れ仕事でしかない。正直誰もやりたがらないだろう」(永田町関係者)と言われている。

さらに焦点となっているのが、自民党を統括する幹事長の人事だ。
官邸周辺は「今、幹事長を務めている茂木敏充氏はポスト岸田に意欲を示しており、岸田首相にとって不安要素のひとつとなっている。
一方で最近は自民と公明の関係が悪化し、東京では衆院選の自民候補を公明が推薦しないことを決定するなど問題が続いており、茂木氏の調整不足も指摘されている。本人は周囲にの幹事長を続投したいと話しているそうだが、財務大臣などへスライドさせる案も検討されている」と話す。
実際、26日には岸田首相と近い遠藤利明総務会長が、茂木氏を財務大臣で起用する可能性について「そうした選択肢もあるかもしれない」と発言した。