「私も頑張ってるんだから待って!』と逆ギレ

それから1カ月も経たないうちに、「かんな」の本性はあらわになった。

「ある日、かんなからLINE電話がかかってきて、『ずっと隠していたんだけど、実はホストにハマっていて……。売掛けの17万円の返済のためにお金を貸してほしい』と連絡がきたんです。もちろん最初は『そんな大金は…』と断ろうとしたんですけど、『このお金さえ返せれば、ガールズバーも辞めて、昼職で真面目に働く』と言うので、『じゃあウチまで取りにこれるなら』と渋々了承したんです。

一応念のため、保険証とマイナンバーカードは撮影しましたけど、それから”金の無心”が始まりました。『お金がなくて生きていけない』とか『食べるモノがない』とか『肛門にデキモノができたから入院する』とか言って、定期的に『PayPayでお金を振り込んでほしい』と言ってくるようになりました。

当時は僕もバカで、かんなに同情していた部分もあったので、3千円~1万円を定期的に貸していました。たまに『いつ返してくれるの?』と聞いても、無視してきたり、『私も頑張ってるんだから待って!』と逆ギレしてくるようになりました」

浅沼容疑者(知人提供)
浅沼容疑者(知人提供)


柏木さんの親切心につけ込んだ「かんな」の行動は、徐々にヒートアップした。

「当時かんなは『難波のウィークリーマンションに友達と住んでいる』と言っていたんですけど、『友達とケンカした』とかで、たびたび泊まりにくるようになりました。部屋を分けて寝ていましたし、体の関係になったことは一度もありませんが、6月くらいに『家賃が払えなくてマンションを追い出された。

一緒に住ませてほしい』とLINEが来たんです。その頃は、かんなに同情して『助けてあげたい』と思っていたので、マンションの前まで車で行って荷物の運搬を手伝い、その日は自宅に泊めてあげました。まぁ、荷物といっても衣装ケースや化粧品くらいなもんで、段ボール2箱に収まる程度のモノでした。

でも翌日から家に帰ってこなくなって、心配になってLINEをすると『難波に住んでる友達のウチに泊まるのでしばらく帰りません』と言ってきまして…。僕からしても『まぁ元気にやってるならいいか』と思っていたんですけど、家を出てからも『お腹が減って死にそう』とか『生活がキツイ』とか言って、またPayPayでの援助を求めてきました」

「かんな」に対して不信感を募らせた柏木さんは、貸していたスマホを解約。それ以降はInstagramのDMで借金の催促をしていたが、「分かってる」「私もやってるねん!」という逆ギレの返事だけでなく『本当にご飯食べられんからお金貸してください』と、再び”金の無心”をしてくるようになったという。

浅沼容疑者と柏木さん(仮名)のやりとり(柏木さん提供)
浅沼容疑者と柏木さん(仮名)のやりとり(柏木さん提供)

並々ならぬ”金への執着心”を見せる「かんな」から思ってもない連絡がきたのが、去年の11月だった――。

「かんなから『今大阪いるんやけど、お金あるからご飯奢ってあげる』と言われて、ミナミのスシローに一緒に行ったんです。かんなは太っているので、当時は『赤ちゃんを妊娠している』なんてまったく気づかなかったんですけど、食後に道頓堀の路上でアイコスをバカスカ吸っていました。

結局、その日は金を返してくれず、その後も催促のDMを送り続けていると、12月に『いま援デリのバイトをしていて、お店の人への借金があと2万円で返済できるから、それだけ貸してくれたらこれまでの借金は返せる』というので会うことになりました。金を渡し、難波の援デリの事務所(マンション)前で別れると、2時間経っても3時間経ってもかんなはマンションから出てこないし、電話も繋がらない。自分も午後から外せない仕事があったので、その場を離れ、結局また金を返してもらえませんでした。かんなと会ったのはこの日が最後ですね」