「デニムに合いますよ」には要注意

ニットやカットソーなど、トップスを試着するときは、必ず腕を上げてみましょう。

ジャケットもそうですが、止まっているときだけでなく、移動中や日常生活でする動作をしたときにその服が美しく見えるかどうかをチェックします。

腕を上げる(タクシーを拾うときやバスの吊り輪をつかむとき)、しゃがんでものを拾うなど、いつもするような動きを試着室でしてみてください。

余談ですが、数年前まで、某航空会社のCAの制服デザインを、海外有名デザイナーが担当していました。

まっすぐに立っていると美しい制服だったのですが、荷物を入れる上の棚のフタを閉める際に腕を上げた瞬間、ジャケットの脇下が醜く引きつりました。そんなCAさんの美しくない姿を見るのがつらすぎて、その航空会社を利用するのをしばらく遠慮していたくらいです。

今はまた新しい制服に変わったので利用していますが、人は動くものですから、本来、服は着て動いたときにも美しくなければいけないものだと思います。

あなたの日常を美しく見せてくれない服は必要ありません、レッドカーペットやランウェイを歩くための服を買いに行くのではないのですから。

「デニムに合わせると素敵ですよ」は危険な誘惑?  普段どれくらいデニムを履いている? 60歳を超えて洋服を試着するときに気をつけたいこと_2
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話は変わりますが、どんなボトムスに合わせたらよいかわからないトップスをすすめられたとき、店員さんに「デニムに合わせると素敵ですよ」と言われたことはありませんか?

それはデニムくらいにしか合わない、難易度が高いトップスを無理やりすすめている危険信号! ワードローブの基本がデニムの方以外は、そんな難易度の高いトップスは避けたほうが無難でしょう。


文/地曳いく子 写真/shutterstock

60歳は人生の衣替え
地曳 いく子
「デニムに合わせると素敵ですよ」は危険な誘惑?  普段どれくらいデニムを履いている? 60歳を超えて洋服を試着するときに気をつけたいこと_3
5月10日発売
1540円(税込)
176ページ
ISBN:978-4-08-781739-3
全ての中高年女性たちへのメッセージ『50歳、おしゃれ元年。』から10年。自身も還暦を越えた、人気スタイリストが語りつくす、Over60のおしゃれ論!

「季節が移り変わるように、人生も夏から秋、秋から冬と移り変わっていくのではないでしょうか。季節の移り変わりに逆らうことはできないように、いくら嘆いてみても人生の季節に逆らうことはできません。──中略── 
季節が変わったら何をすればよいのでしょう? それは、衣替えです」(はじめにより)

【目次より】
第1章 
「今」を生きるおしゃれをしよう
人生の衣替え4カ条
今こそクロゼット総点検。さよならすべき服はこれ!

第2章 
昭和のおしゃれルールが抜けきらない人への処方箋
「盛る」よりも「抜く」のが令和流
かつての鉄板アイテム、白いTシャツとシャツにさよならを
バッグの詰め込みすぎには注意しましょう

第3章 
おしゃれ心がダダ下がってしまった人への処方箋
ベーシックアイテムこそアップデートする
ワンシーズンに一つだけ、トレンド・リハビリアイテムを
Over60の出直しアイテム「進化系ジャケット」

第4章 
Over60のおしゃれとお金を考える
おしゃれに使っていた財力は別のところに
「あったら便利」はなくていい
まとめ買い・2色買いも卒業しました

第5章 
Over60の、持続可能な簡単おしゃれテクニック
パッと着っぱなしはご法度! ひと手間で見違えます
店員さんの「大丈夫!」は大丈夫ではありません
試着の鉄則「デニムに合いますよ」には要注意
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