左右脳を切り替えるトレーニング例
図表1ー1をしばらくジッと見つめてください。すると、5つの別々のブロックとして見えていたものの中に、LEFTというアルファベットが浮かび上がってきたはずです。この実例で、脳は図形(右脳)と文字(左脳)を、交互にスイッチして機能させていることが確認できるのです。

文字と図形の組合せではなく、図形のみの場合でも、右脳はその解釈を無意識に切り替えています。図表1ー2を注視してください。これは「ルビンの壺」と呼ばれる有名な反転図形です。壺のシルエットと、人の顔が向かい合わせになっている図が交互に浮かび上がってくることにあなたは気づくはずです。

さらに、図表1ー3を見てください。この立方体が2種類の見え方をすることがわかりましたか? これは「ネッカーの立方体」と呼ばれるもので、一般的には、奥行き反転図形と呼ばれています。
まず、立方体を斜め上から見た図が浮かび上がってくるでしょう。そのとき、A面が手前に、そしてB面は奥に見えます。次に斜め下から見た図に切り替えると、今度はA面が奥に、そしてB面は手前になって見える斜め下から見た図が浮かび上がってくるはずです。
このような図形を使用することで、右と左の脳だけでなく、片方の脳単体でも、視点を頻繁に切り替えていることを確認できるのです。これは、あなたの意志というよりは、自動的、かつ無意識に切り替わると言ったほうがよいかもしれません。
まずは、これらのイラストを使って、二つの画像が交互に切り替わる感覚を楽しんでください。
ただし、これはあくまでも脳の内部でどのようなことが起きているかを確認するための練習です。実際に左右脳を切り替えるトレーニングは本書で色々と紹介していきます。












