新聞記事なども参考に独学でエクセルを習得

中園さんがエクセルの勉強を本格的に始めたのは高校1年のとき。学校の「情報」の授業で、Microsoft Officeソフトの「ワード」「パワーポイント」とともに触れたのがきっかけだ。

「3つの中で、エクセルが一番難しそうだと思い、チャレンジしてみたいという好奇心で選びました。難しいと思ったのは、ワードなどと違って計算式があること。でも、将来のためにも今のうちに勉強しておくことにメリットを感じました」

ソフトの基本的な操作方法は、参考書などを読んで独学で習得した。とりわけグラフや表に興味を持ち、新聞記事などを読んでは、「これはどうやってつくっているのだろう?」「こんな表現の仕方があるのか!」と独自の感性を磨いていった。教材はどこにでもあるのだ。今回、世界一になったことで、高校の先生からも「エクセルを教えて」などと言われたそうだ。

パソコン歴そのものは長く、幼稚園のときにはすでにタイピングソフトで遊んでいた。小学校に入り、母親が勤めるパソコン教室に通い始めてから、ますますパソコンを使う楽しさが増していった。そんな折に出会ったのが「毎日パソコン入力コンクール」だ。これは、毎日新聞社および日本パソコン能力検定委員会が主催する、タッチタイピングの速さや正確性を競い合う大会である。小学2年生で初めて全国大会に出場し、そこからパソコンソフトの操作技術を向上させる気持ちに火がついた。

エクセル世界一に輝いた女子高生から学ぶ驚異のグラフ術_f
過去には「毎日パソコン入力コンクール」全国大会で優勝した実績も

「負けず嫌いという性格もあって、うまくいかないと悔しいからもっとやろうとか、大会で良い順位を取るために頑張ろうとか、毎日練習していました。練習すればするほど成果は出るので、達成感を持って取り組んでいました」

中園さんの努力はしっかりと実を結び、小学6年生のときにコンクールで日本一に輝いた。

根っからのパソコン少女だった中園さんは、当然のように理数系だと思いきや、「数学は苦手で、バリバリの文系です。得意科目は英語」と言う。また、小学生のころは地域の祭りで太鼓を叩いたり、中学時代は陸上部で短距離走の選手だったりと、どちらかといえば体育会系であることにも驚いた。

将来は、データを駆使して商品の販売分析などを行うマーケティングの仕事に就きたいと、夢を語る。エクセルのデータなどを使って、資料づくりに悪戦苦闘しているビジネスパーソン諸氏も、中園さんのグラフ作成術から学べることはあるはずだ。
(写真は全て中園さんから提供)