収録前後でタモリさんが語った「北斗星」
――『タモリ倶楽部』のおかげで、鉄道趣味が市民権を得た印象もあります。
鉄道ファンはおかしな奴ばかりみたいなイメージをタモリさんが変えてくれたところはありますよね。みなさん本当に鉄道を愛されてる方ばかりだから、本気なところがよかったんだと思います。車両の床に耳をつけて、モーター音を聴くという行為も、くるりの岸田(繁)さんが『タモリ倶楽部』でやりだしてから流行りましたから(笑)
――タモリさんともお話はされましたか?
カメラが回らないところで寝台夜行列車「北斗星」の思い出話を楽しそうに聞かせてくださいました。少年のような目の輝きで、それこそタモリさんの目が北斗星でしたね(笑)。
あとは、みなさん、タモリさんが台本を見ているところを見たことがないとおっしゃっていて。実際、収録もぬるっと始まって、ぬるっと終わりました。気負わないのに、それがちゃんと定時運行で終わるからすごいですよね。
――番組スタッフも鉄道好きな方が多いんですか?
そこまで多くないみたいなんです。ただ、スタッフさんはバラエティのプロフェッショナルで、撮影にありがちな「いまのところカメラ回ってなかったら、もう一回」みたいなことが絶対にないと、土屋礼央さんから伺いました。タモリさんも自由に動かれるタイプの方だから、面白いことを絶対に取りこぼさないというプロ意識ですよね。
あと、『タモリ倶楽部』はとにかく、台本が面白いんです。収録では台本以外のことにもチャレンジしますが、やっぱり台本に書いてあることが一番面白いとみなさんおっしゃっていて。そこは、プロの作家さんのプライドを感じます。
ですから、いつか臨時運行で『タモリ電車クラブ』特番が発車される日を心待ちにしてるんです。自分で企画書を作って出しちゃおうかな(笑)。