常勝軍団復活のために必要なこと

もちろん、改革は簡単ではなかったという。チームメイトからの理解は得られても、それがすぐに結果に結びつくことはなく、その事実が時にチームの成長を停滞させたこともあったそうだ。だが、自分の考えを根気強く仲間に伝えることを諦めなかった。

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「チームが成功を収めることができれば、全員で成功を分かち合えるし、全員が成功者となれますが、どんなに素晴らしい選手でも、チームの成績が伴わなければ、成功者になることはできない。だからこそ、練習前のクラブハウスで、試合前のロッカーでは常に僕たちは一丸となって進み、共に成功者になろうと伝え続けました。

僕たちは勝たなければいけないクラブにいて、そのクラブのために一丸となって戦わなければいけないんだ、と。そしてその過程はチームだけではなく、僕自身を成長させてくれたと思っています」

思えば、かつては常勝軍団と知られたガンバも、今現在の成績に限らず、2015年の天皇杯優勝を最後に『タイトル』から遠ざかっている。それどころか、近年は毎年のように残留争いに巻き込まれている状況だ。その姿と、かつてのマッカビ・ハイファには重なる部分が多いこともラヴィが現状に強く立ち向かう理由だろう。

「確かに似たような状況にあると思います。ただ、僕はまだガンバに加入したばかりで『これは違う』『ここは素晴らしいね』と言えるほど、このクラブのすべてを理解しているわけではありません。マッカビ・ハイファではアカデミーからトップチームに昇格した流れもあって僕自身のチームへの理解も深く、チームにすんなりと入っていけました。だけど、ガンバでは今はまだそこまでクラブのすべてを理解できていないし、逆に僕個人に対する信頼も、理解も今はまだ十分には得られていないと思います」