22歳でキャプテンになった生粋のリーダー

ここまでの公式戦14試合で勝利したのはリーグ戦1試合と、カップ戦2試合のみ。それでも、ラヴィはいたって前向きだ。

【Jリーグ初のイスラエル人選手】ガンバ大阪のネタ・ラヴィはJリーグをどう見ているのか。「キャプテンの宇佐美貴史をはじめ、チームを牽引しようとする選手が複数人いることはポジティブで…」_2
ⓒGAMBA OSAKA

「プロサッカー選手にとって負けることは最大の屈辱です。ただチームが発展途上にある今、この事実をすべてマイナスだとは思っていません。敗戦から学んだ教訓は必ず、次の試合に活かされますし、チームの財産として蓄積されていきます。

実際、今は悔しい結果が続いていますが、この10数試合でも我々が得たものは確かにあり、成長も感じます。また当然ながらチームとしても、個人的にも分析を行いながら、より精度を高められるように取り組んでいます。もちろん、口で語るほどサッカーは簡単ではないので、洗い出した課題のすべてをすぐに試合で改善できているとは言い切れません。

それでも、少しでもプレーがよくなるように、ガンバを勝利に導けるように日々、最大限の力を注いでいますし、それが自分たちの使命だとも思っています」

そんなふうに胸を張るのは、以前に所属していたイスラエル・プレミアリーグのマッカビ・ハイファでの成功体験があるからだろう。13歳から同チームのアカデミーで育った彼がトップチームに昇格した2015年。かつてはリーグ3連覇を実現するなどイスラエルの強豪として知られたマッカビ・ハイファはタイトルから遠ざかる低迷期を過ごしていた。

そんな中、ラヴィはトップチーム昇格からわずか3年、22歳の時に同チームのキャプテンに指名され、就任する。その重圧は「とてつもなく大きかった」が、クラブ再建への使命感は彼を突き動かし、チームも古豪復活への道のりを歩んだ。

「22歳の自分に何ができるのか。どうすればチームが再び、タイトルを争える強さを取りもどせるのか。そのことをクラブオーナーをはじめ、いろんな人と話し合いました。その中で当時、クラブが見失っていた『チームがゴールに向かって同じ絵を描き、一丸となって突き進むこと』が大事だという考えに行きつき、そのことを常にチームに投げかけました。最初はごく数人の選手と同じ考えを共有することからはじめ、その輪を大きくするために、ロッカーでは常に一丸となって戦うことを仲間に求めたのを覚えています」