とある事件に関わったヒットマンに似ているとの情報も
「映像はこの2、3日でヤクザの間ですごい勢いで出回っています。出どころも、出回らせる明確な意図もわかりませんが、顔の特徴も確認できるほど精緻な映像なので、犯人への何らかの警告とともに捜査当局に発破をかける意味合いも含んでいるとみられます。
映像に映る男の顔を見て、とある事件で指名手配がかかったヒットマンに似ていると話す者もいる。ただ、被害者の口に拳銃を突っ込んで射殺したにしては、手際がよすぎるのが気になりますが、この男が事件に関与している可能性は高いでしょう」
余嶋さんは指定暴力団山口組弘道会傘下の「湊興業」組長。弘道会は山口組の当代、六代目の司忍組長を輩出している名古屋市内に本拠を置く組織だが、神戸市内は五代目組長の出身組織「山健組」の本拠だったこともあり、傘下は湊興業だけだった。
山口組は2016年に弘道会と山健組を中心にした内部抗争が激化、「神戸山口組」や「絆会」などに分裂し、抗争事件も頻発した。湊興業は組員のいない余嶋さんの「一人親方」でヤクザ組織としての実態はなかったが、同年に事務所の窓ガラスが割られるなど、余波に巻き込まれた経緯もあったという。
昨年6月には神戸山口組組長の自宅門扉に17発もの銃弾が打ち込まれる事件があったところだ。
社会部記者が続ける。
「湊興業に組としてのシノギは事実上なく、余嶋さんは上納金にも困って滞納していたという情報もあり、暴力団同士の抗争だけでなく借金など金銭トラブルが原因だった可能性もある。しかし、一連の山口組分裂騒動絡みでは実行犯が特定できない事件も多く、捜査は難航しているのかもしれませんね」
一歩間違えば、客や通行人らも巻き込んだ惨事になっていただけに、早期解決には兵庫県警の底力が問われる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班